
「お礼参りの封筒はどう書けばいいの?」
そんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
祈願が成就して感謝の気持ちを伝えたいものの、封筒の書き方や作法を間違えてしまうと失礼にあたってしまいます。
この記事では、お礼参りで使う封筒の正しい書き方から、表書き・裏面の記入方法、お札の入れ方まで詳しくお伝えしていきます。神社とお寺での違いについても触れているので、マナーを守って心からの感謝を伝えられるようになりましょう!
お礼参りに使う封筒の種類|のし袋と白封筒の正しい選び方
お礼参りで最も重要なのが、適切な封筒選びです。
封筒の種類によって込める気持ちや格式が変わってくるため、しっかりと使い分ける必要があります。まずは基本的な封筒の選び方から見ていきましょう。
のし袋を使うケース(紅白・蝶結びの水引が基本)
正式なお礼参りでは、のし袋を使用するのが一般的です。
これは、感謝の気持ちを丁寧に表現するためでもあります。水引は紅白で蝶結び(花結び)のものを選んでください。なぜなら、お礼参りは何度あっても良いお祝い事だからです。
蝶結びは結び直しができることから「繰り返し起こって欲しい良いこと」を意味します。そのため、お礼参りには最適な水引といえるでしょう。
また、のし袋の格は金額に応じて選ぶことも大切です。
白封筒でも良い場合と注意点
カジュアルなお礼参りの場合は、白封筒でも問題ありません。
特に金額が少額(3,000円以下)の場合や、個人的な感謝を込めた参拝では、シンプルな白封筒の方が適している場合もあります。ただし、必ず無地の白封筒を選んでください。
また、白封筒を使用する際は中袋がないため、封筒の裏面に金額・住所・氏名をきちんと記入することが重要です。
避けるべき封筒の例(茶封筒・キャラクター封筒など)
お礼参りでは絶対に使ってはいけない封筒があります。
まず茶封筒は事務的な印象が強く、神聖な場所への奉納には不適切です。また、キャラクターが印刷された封筒や色付きの封筒も避けましょう。
さらに、郵便番号欄が印刷されているものや、会社名が入った封筒も使用しないでください。お礼参りは神仏への感謝を表す神聖な行為であるため、清潔で品のある封筒を選ぶことが大切です。
表書きの正しい書き方|神社とお寺で使う言葉の違い
表書きは封筒の「顔」となる重要な部分です。
神社とお寺では使用する言葉が異なるため、参拝先に応じて適切な表書きを選ぶ必要があります。それぞれの正しい書き方を詳しく見ていきましょう。
神社で使う表書き(初穂料・玉串料・御神前・御礼など)
神社でのお礼参りでは、以下の表書きが適しています。
最も一般的なのが「初穂料」です。これは神様への感謝の気持ちを込めた奉納を意味しており、どのような祈願のお礼にも使えます。
「玉串料」も同様によく使われる表記で、神様への奉納という意味合いがあります。また、「御神前」は神様の前にお供えするという意味で、格式高い表現として使用されます。
シンプルに「御礼」と書くのも適切です。この場合、感謝の気持ちがストレートに伝わります。
お寺で使う表書き(御礼・御布施・ご祈願料など)
お寺でのお礼参りの場合、使用できる表書きが少し変わってきます。
最も適しているのが「御礼」です。これは宗派を問わず使える万能な表記といえるでしょう。
「御布施」は僧侶への感謝を表す言葉として使われますが、祈祷や供養をお願いした場合に適しています。また、「ご祈願料」という表記も、特定の祈願をお願いした際のお礼として使用できます。
ただし、神社で使う「初穂料」や「玉串料」はお寺では使用しないよう注意してください。
迷ったときに使える万能表記「御礼」
神社でもお寺でも迷った場合は「御礼」が最も安全な選択です。
この表記は宗教や宗派を問わず使用でき、感謝の気持ちを素直に表現できるからです。実際、多くの参拝者が「御礼」を使用しており、受け取る側も違和感を持ちません。
特に複数の神社やお寺を参拝する予定がある場合は、「御礼」で統一すると良いでしょう。
中袋・裏面の記入方法|金額・住所・氏名をどう書く?
封筒への記入は表書きだけでは完了しません。
中袋がある場合と白封筒を使う場合では、記入方法が異なってくるため、それぞれのルールを正しく理解しておくことが大切です。
中袋がある場合の書き方(表に金額・裏に住所と氏名)
のし袋に中袋が付いている場合は、決まった記入方法があります。
中袋の表面中央には金額を縦書きで記入してください。「金」の文字から始めて「也」で終わるのが正式な書き方です。例えば、5,000円の場合は「金五千円也」と書きます。
中袋の裏面左下には住所と氏名を記入しましょう。住所は都道府県から省略せずに書き、氏名は住所よりもやや大きめの文字で書くのがポイントです。
このように記入することで、後日神社やお寺で整理する際に分かりやすくなります。
中袋がない場合の白封筒裏面の書き方
白封筒を使用する場合は、封筒の裏面に必要事項をすべて記入します。
裏面の左下に住所・氏名・金額を縦書きで記入してください。順番は住所→氏名→金額の順が一般的です。
住所と氏名の文字サイズは同程度にし、金額は少し小さめに書くとバランスが良くなります。また、封筒の中央から左寄りに書くことで、見た目も美しく仕上がります。
金額の書き方(大字の使用とNG例)
金額を記入する際は、改ざんを防ぐため大字(だいじ)を使用するのが正式です。
一般的な大字は以下の通りです。
- 1,000円→壱千円
- 2,000円→弐千円
- 3,000円→参千円
- 5,000円→五千円
- 10,000円→壱萬円
ただし、現代では普通の漢数字でも問題ないとされています。重要なのは丁寧に書くことです。
算用数字(1、2、3など)は使用しないよう注意してください。
連名・会社名義で書く場合の注意点
複数人でお礼参りをする場合や、会社名義の場合は記入方法が変わります。
3名までの連名では、右から左へ順番に全員の名前を記入してください。目上の方を右側に、次に続く方を左側に配置し、同格の場合は五十音順で並べるのが基本です。全体のバランスを考えて中央に配置することも大切でしょう。
4名以上になる場合は、代表者名を中央に書いて、その左側に「外一同」や「他一同」と小さく添えます。また、全員の名前を別紙に記入して封筒に同封する方法もおすすめです。
会社名義の場合は、会社名と代表者名を併記しましょう。会社名を右側に、代表者名を左側に書くとバランスが良くなります。
お札の入れ方とマナー|新札・向き・糊付けは必要?
封筒への記入が完了したら、次はお札の入れ方です。
正しい向きや新札の使用可否など、細かなマナーがあるため、一つずつ確認していきましょう。これらのマナーを守ることで、より丁寧な感謝の気持ちを表現できます。
お札の向き(肖像が表・上向きが基本)
お札を入れる際は、肖像画が表を向き、かつ上を向くように入れるのが基本です。
これは、お札を取り出した時に肖像画がすぐに見えるようにするためでもあります。渋沢栄一や津田梅子などの肖像画が封筒の表面側を向き、頭が上になるよう配置してください。
複数枚入れる場合は、すべてのお札の向きを揃えることが大切です。バラバラな向きで入れると、受け取った側が整理しにくくなってしまいます。
新札を使うべきか?推奨と例外
お礼参りでは、できる限り新札を使用することが推奨されます。
新札を使う理由は、神仏への感謝を新鮮で清らかな気持ちで表現するためです。しかし、急な参拝で新札が用意できない場合は、なるべく綺麗なお札を選んで使用しても問題ありません。
重要なのは感謝の気持ちであり、新札にこだわりすぎる必要はありません。ただし、破れていたり汚れが目立つお札は避けるようにしてください。
糊付けは不要?中袋の封の仕方
中袋の封については、糊付けをしない方が一般的です。
なぜなら、受け取った神社やお寺側で開封しやすくするためです。中袋の口は軽く折り込む程度に留め、完全に封をしないようにしましょう。
外袋(のし袋)についても同様で、糊付けは必要ありません。折り返し部分をきちんと重ねることで十分です。むしろ、開けやすさを重視することが相手への配慮となります。
受付での渡し方と挨拶例|ふくさの使い方も解説
封筒の準備が整ったら、実際の参拝での渡し方も確認しておきましょう。
受付でのマナーや適切な挨拶ができれば、より丁寧にお礼の気持ちを伝えることができます。特にふくさの使い方は、格式を重んじる場面では重要なポイントです。
ふくさに包む色とマナー
お礼参りの封筒は、ふくさに包んで持参するのが正式なマナーです。
ふくさの色は紫色が最も適しています。紫は慶弔両用で使えるため、どのような場面でも安心して使用できるからです。その他、赤やオレンジなどの明るい色も慶事には適しています。
包み方は、ふくさの中央に封筒を置き、左→上→下→右の順で折り畳みます。この順番を守ることで、正しい作法に従った包み方となります。
受付でのスマートな渡し方
受付では、まずふくさから封筒を取り出してください。
ふくさを開いて封筒を自分の方に向け、相手に読めるよう時計回りに90度回転させて両手で差し出します。このとき、封筒の文字が相手から見て正しく読める向きになっていることを確認しましょう。
渡す際は軽くお辞儀をし、感謝の言葉を添えることが大切です。急がずゆっくりとした動作で行うことで、丁寧な印象を与えられます。
一言挨拶の例文(神社版・寺院版)
神社での挨拶例:「おかげさまで祈願が成就いたしましたので、お礼参りにお伺いさせていただきました」
お寺での挨拶例:「ご祈祷いただいたおかげで無事に願いが叶いましたので、感謝の気持ちをお納めください」
どちらの場合も、具体的に何の祈願だったかを簡潔に伝えると良いでしょう。また、「ありがとうございました」という感謝の言葉を最後に加えることで、より心のこもった挨拶となります。
お礼参りの金額相場と時期の目安
お礼参りを行う上で気になるのが金額と時期です。
適切な金額設定と参拝のタイミングを知っておくことで、失礼のないお礼参りができるようになります。また、遠方で直接参拝できない場合の対処法についても確認していきましょう。
お礼参りの金額相場(個人・家族・法人別)
個人でのお礼参りの場合、3,000円から10,000円程度が一般的な相場です。
祈願の内容や叶った願いの大きさに応じて金額を調整することが多く、就職祈願なら3,000円〜5,000円、結婚祈願なら5,000円〜10,000円程度が目安となります。
家族でのお礼参りの場合は10,000円〜30,000円程度、法人の場合は30,000円以上が相場とされています。ただし、最も大切なのは金額ではなく感謝の気持ちであることを忘れないようにしましょう。
お礼参りに適した時期(祈願成就後いつまでに行く?)
お礼参りは願いが叶ってから1ヶ月以内に行うのが理想的です。
特に合格祈願や就職祈願のように結果が明確な場合は、結果が分かり次第なるべく早めに参拝することが推奨されます。しかし、仕事の都合などで1ヶ月以内に行けない場合でも、3ヶ月以内であれば問題ありません。
重要なのは、忘れずにお礼参りを行うことです。時間が経ちすぎてしまった場合でも、感謝の気持ちがあれば遅すぎるということはありません。
遠方で参拝できないときの対応(代理・郵送)
遠方で直接参拝できない場合は、代理参拝や郵送でのお礼も可能です。
代理参拝の場合は、家族や信頼できる人にお願いしましょう。その際、本人の住所・氏名で封筒を準備し、代理であることを受付で伝えてください。
郵送の場合は、現金書留で送ります。お礼の手紙を同封し、直接参拝できない事情を説明することが大切です。多くの神社やお寺では郵送でのお礼も受け付けているため、事前に確認してみることをおすすめします。
まとめ
お礼参りの封筒は、のし袋(紅白・蝶結びの水引)または白封筒を使用し、表書きは神社なら「初穂料」「玉串料」、お寺なら「御礼」「御布施」、迷った場合は万能な「御礼」を選ぶのが適切です。
中袋には表面に金額、裏面に住所・氏名を記入し、お札は肖像が表・上向きになるよう新札で入れるのが基本となります。
お礼参りは感謝の気持ちを形にする大切な行為です。正しいマナーを身につけることで、神仏への敬意をしっかりと表現し、今後も良いご縁が続くよう心がけていきましょう!