お礼参りで返すもの完全ガイド|お守り・お札・腹帯はどうする?正しい返納方法とマナー

「お礼参りに行きたいけれど、何を返せばいいのかわからない……」

そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

お礼参りは、願いが叶ったことを仏様や神様に感謝の気持ちを伝える大切な行事です。

この記事では祈願内容別にお礼参りで返すものから、返納方法やマナーまで詳しくお伝えしていきます。正しい知識を身につけて、感謝の気持ちを適切な形で表現してみてください!

お礼参りで返すものは何?祈願内容別チェックリスト


お礼参りで返すものは、祈願内容や授与いただいた品によって異なります。 それぞれの祈願内容に応じて、何を返せばよいのかを確認していきましょう。

安産祈願のお礼参りで返すもの(腹帯・お守り・御札)

安産祈願でお礼参りをする際に返すものは主に次の通りです。

安産祈願で授かったもの:腹帯(さらし)、御札、お守りなどが基本的な返納品となります。

特に腹帯については、腹帯は安産祈願の一環として授かる神聖なもの。無事に出産を終えたら、神仏へのお礼として返納するのが一般的な流れですとされています。

ただし、記念として残しておきたい場合もあるでしょう。そうした場合は、希望を伝えると、一旦返納した後に返していただける神社もあるようです。

また、中山寺のように新しいさらしを納める仕組みもあります。「お礼参り」では、新しいお晒(さらし)を納めていただき、お子さまの生年月日と干支をお教えいただきます。これはなぜかといいますと、お聞きしたお子さまの干支と性別をお納めいただいた新しいお晒に書き込み、新しい妊婦さまのためのお腹帯に仕立てるためなのです。

合格祈願・学業成就のお礼参りで返すもの

合格祈願でお礼参りをする際に返すものは以下の通りです。

合格祈願で授与していただいたお守りは、お礼参りの際に持参し、社務所に持って行きましょう。お守りと一緒に授与されたお札も同様です。

合格祈願のお礼参りの際には、合格祈願の時にいただいたお守りやお札を持参します。古いお守りやお札を手元に持っているのは良いとされていないので、お礼参りをするタイミングで忘れずに返納しましょう。

重要なのは、合格したらお礼参りに お参りをして無事合格できたら、神様にお礼に行くこと。お守りも基本的には1年後を目安に、お守りを授けてくれた神社にお返しするということです。

なお、第一志望に合格できなかった場合でも、もしも第一志望校に合格できなかったとしても、受験を無事に乗り越えられた感謝の気持ちを伝えに行くことで、その後の運が開けるとされていますので、お礼参りを行うことをおすすめします。

厄除け・方位除け・病気平癒のお礼参りで返すもの

厄除けや病気平癒の祈願でお礼参りをする際の返納品について説明していきます。

厄除けのお礼参りでは、お礼参りをする場合は、厄除け・厄払い時に受けたお守りやお札を返納、参拝するだけで大丈夫です。

1年後お寺にお札を返し、お礼参り(おれいまいり)をする お礼参りとは、1年間お世話になったお札やお守りに感謝の気持ちを込め、お寺に返すことです。護摩のお札やお守りの効力は1年ですので、1年経過後必ず当寺にお持ちください。

病気平癒の場合も同様で、祈願時に授与されたお守りやお札を返納します。病気が回復したことを感謝の気持ちと共にお伝えしましょう。

縁結び・恋愛成就のお礼参りで返すもの

縁結びや恋愛成就の祈願でお礼参りをする際の返納品についてお話ししていきます。

縁結びのお守りやお札などを購入した場合は、購入した場所へ返納します。お札やお守りには神様の魂が込められていますが、時間の経過とともにご利益も減っていくとされているため、ご利益の有無にかかわらず、1年を目安に新しいものに買い替えるのがおすすめです。

恋愛が成就した場合は、婚約をしたタイミングでお礼参りに訪れることで、神様に願い事の結果を報告するとともに感謝の気持ちを伝えやすくなるでしょう。また、縁結びの場合は一人よりもカップルで訪れるのが良いとされています。

商売繁盛・仕事成就のお礼参りで返すもの

商売繁盛や仕事の成功を祈願した際のお礼参りについて解説していきます。

一年以内にお礼参りをお受けになり、願解きするのが丁寧な作法です。お礼参りをお受けにならない場合でも、お守り・お札はご返納ください。お焚き上げさせていただきます。

商売繁盛の祈願では、特に日頃の商売の成果を神様に報告することが大切です。売上向上や事業の発展など、具体的な成果があった場合は感謝の気持ちと共にその旨をお伝えしましょう。

絵馬や御朱印帳など返さなくてよいもの

すべての授与品を返す必要はありません。返さなくてよいものについても確認しておきましょう。

絵馬は、祈願時に願いを書いて納めたものなので、原則的にはその場に奉納されたままになります。そのため、返納というよりは「回収の必要はない」ことが多いです。

御朱印帳についても、参拝の記録として手元に残しておくものですので、返納の必要はありません。これらは記念品として大切に保管することができます。

返す場所と手順:神社とお寺での違いを解説


お礼参りで授与品を返す際の場所と手順について、神社とお寺の違いも含めて詳しく説明していきます。

授与元の寺社に返すのが基本

お礼参りの基本原則として、授与いただいた寺社に返すのが最も丁寧とされています。

どうしても頂いた神社までいけない場合は、お近くの神社でも結構ですので、感謝の気持ちを忘れずに、お納め下さいとされていますが、やはり元の場所が理想的です。

赤ちゃんを無事に出産したら、お守りはいただいた神社やお寺にお返しします。これは安産祈願に限らず、すべての祈願に共通する基本的なマナーといえるでしょう。

古札納所や社務所に納める場合の流れ

実際に返納する際の具体的な流れをご紹介していきます。

神社や寺院には専用の納所が設けられています。「お焚き上げ」や「納札所」があるので、お焚き上げ料を添えてお返しすれば問題ありません。

祈願の際に授かったお守りやお札、腹帯、破魔矢などは、お礼参りのときに返納します。お寺や神社に設けられた納札所に納めると、お焚き上げしていただけます。

もし納札所が見つからない場合は、社務所や寺務所で直接職員の方にお渡しすることも可能です。

遠方の場合は郵送や最寄りの神社でも可能?

授与元が遠方の場合の対応方法についてお話ししていきます。

中には、郵送での返納を受け付けている神社やお寺があります。遠方にある場合、直接お返しするのが難しい場合には郵送を検討するのもひつの方法です。

実際に帯解寺の例では、お礼参りはせず、返納のみされる方は、お礼方々、納札料500円を添えて、帯解寺の受付または郵送にてご返納ください。お焚き上げさせていただきますという対応をされています。

近隣の神社への返納について、他の神社やお寺のお札・お守りの返納を受け入れているところもあります。こちらも、受け入れてもらえるのか、返納する際には事前に必ず確認するようにしてください。

神社とお寺で異なる呼び方や手順の違い

神社と寺院では、返納に関する呼び方や手順に若干の違いがあります。

送る際は、お守り・お札在中であること、神社の場合はお焚き上げ、お寺の場合は焼納を希望していることを記載します。このように、神社では「お焚き上げ」、お寺では「焼納」という用語が使われることが一般的です。

また、料金の表記についても、お寺でご祈祷をお願いする場合は「ご祈祷料」や「お布施」などとして謝礼を支払うことが一般的ですといった違いがあります。

いつ返すのが正解?タイミングの目安と実例


お礼参りに適したタイミングについて、祈願内容別に詳しく解説していきます。

成就後すぐにお礼参りをする場合

願いが叶った直後にお礼参りをするパターンについて説明します。

お礼参りの時期に決まりはありませんが、一般的には「願いが叶ったら1年以内」が目安です。

特に合格祈願の場合、受験発表があったその日に行く方もいらっしゃいますし、新生活が落ち着いてから訪れる方もいらっしゃいます。

感謝の気持ちが溢れているうちにお参りすることで、より心のこもったお礼参りとなるでしょう。

安産祈願は出産後・お宮参りの時が多い

安産祈願のお礼参りのタイミングについて詳しくお話ししていきます。

安産祈願とお宮参りの神社が同じ場合には、お宮参りのタイミングで返すと良いでしょう。これが最も効率的で実用的な方法といえます。

お礼参りの理想的なタイミングは、出産後1ヶ月〜2ヶ月ほどの間。お宮参りと一緒に行う方も多く見られます。

産後の体調を考慮して、無理のない時期を選ぶことが大切です。大切なのは、赤ちゃんとお母さんの体調を最優先にし、無理のない時期を選ぶこと。

合格祈願・試験合格後のお礼参りの目安

合格祈願のお礼参りについて、具体的なタイミングをご紹介します。

お礼参りの時期や期間は決まっておらず何か月以内に行かなくてはいけないというルールはありませんが、1年以内には訪れましょう。

合格祈願はお礼参りをすることで願い事が完結すると言われているので、時間を取って忘れずに訪れたいですね。

新しい環境に慣れてからでも構いませんので、落ち着いた時期を見計らってお参りしてみてください。

「1年で返す」といわれる理由と柔軟な考え方

お守りやお札を1年で返すといわれる理由について解説していきます。

基本的にお守りやお札の効力には期限があります。お守りやお札の多くは1年間の平穏・安全などを祈願するもののため、1年後には新しいものに取り替えるのが一般的です。

また、日本には常若という言葉があります。常若は、文字のまま常に若々しいという意味です。洗い立ての洗濯物に清々しさを感じるように、お守りも常に若々しく新しい神仏の力がこもったものに、年に1度は交換するべきだと考えられています。

ただし、厳格な期限ではありません。期限があるお守りやお札でも、1年過ぎたら効力がまったくなくなるというわけではなく、徐々に穢れていくとされています。

のし袋・金額のマナー:初穂料・玉串料・御礼の書き方


お礼参りの際の金銭的なマナーについて、詳しく解説していきます。

神社では「初穂料」「玉串料」と書くケース

神社でのお礼参りで使用する表書きについて説明します。

包みの表書きには「初穂料」のほかに「御神前(ごしんぜん)」「御供(おそなえ)」「玉串料(たまぐしりょう)」「御榊料(おさかきりょう)」等の書き方があります。

一般的にご祈祷料の表書きには「初穂料」「玉串料」「祈祷料」「御礼」などお書き添えください。

「初穂料」は慶事でのみ使用しますが、「玉串料」は慶弔両方で使用できるという違いがありますので、覚えておくとよいでしょう。

お寺では「御布施」と書くケース

お寺でのお礼参りの際の表書きについてお話ししていきます。

お寺でご祈祷をお願いする場合は「ご祈祷料」や「お布施」などとして謝礼を支払うことが一般的です。

神社とお寺では表書きが異なる点に注意が必要です。場所に応じて適切な表書きを使用しましょう。

相場の目安と金額に決まりがない理由

お礼参りでの金額の目安について解説していきます。

お礼参りでは、お賽銭が一般的であり、それだけでも十分に感謝の気持ちは伝わるものです。

より丁寧にしたい場合は、お焚き上げ料はお守りをいただいた時と同額程度を納めるのが一般的とされています。

安産祈願の場合、ご祈祷料(または御布施)の金額は、通常の感謝のみなら1,000〜3,000円程度、祈祷を伴う場合は5,000〜10,000円程度が目安です。

新札・旧札どちらを使う?名前や住所の書き方

お金の準備や名前の書き方について詳しく説明していきます。

包むお札は、新札でなくてもOKです。ただ、お宮参りは赤ちゃんの成長を願うお祝いの行事となります。汚いお札はなるべく避けて、シワが少なく使用感のないものを選ぶことがおすすめです。

初穂料は、神様への感謝を示すものですので、なるべく新札を用意するようにしましょう。

名前の書き方については、のし袋に記載する名前は願い主(神様にお願いをする本人)の氏名を書きます。

水引の上部には玉串料、もしくは初穂料と書きます。下部に名前を書きます。姓だけでも結構ですし、フルネームを書いていただいても結構です。

遠方や返せないときの対応法とトラブル回避策


様々な事情で返納が困難な場合の対応方法について解説していきます。

郵送で返すときの注意点(宛名・同封文例)

郵送で返納する際の具体的な注意点をお伝えしていきます。

ただし、すべての神社・お寺が対応しているわけではありません。郵送前に必ず郵送での返納を受け付けているか確認しましょう。

送る際は、お守り・お札在中であること、神社の場合はお焚き上げ、お寺の場合は焼納を希望していることを記載します。また、お焚き上げ費用を入れる場合は現金書留にて返納しましょう。

縁結びスポットのホームページや問い合わせを確認し、郵送による返納を受け付けている場合は、感謝の気持ちを記したメモや一筆箋を添えて、お守りなどを返納しましょう。

近隣の神社での返納は可能かどうか

近くの神社での代理返納について説明していきます。

遠方で返納できないことがありますよね。この場合は近くの神社やお寺に返納しても大丈夫です。

ただし、注意点があります。近くの神社にお返しする場合は、間違ってお寺のお守りをお返ししないように気をつけましょう。神社のものは神社に、お寺のものはお寺にお返しします。

ただし、神社でいただいたものは神社に、お寺でいただいたものはお寺に返納するのがしきたり。特にお寺には宗派の違いがあります。くれぐれも注意しましょう。

腹帯を記念に残したい場合の相談方法

記念として残しておきたい場合の対応について説明します。

腹帯は記念に手元に置いておきたいという方もおられるでしょう。その場合、希望を伝えると、一旦返納した後に返していただける神社もあるようです。

施設によって対応が異なるため、事前に返納可能かどうか問い合わせておくと安心です。

事前に神社や寺院に相談することで、記念品として残せる可能性があります。遠慮せずに相談してみることをおすすめします。

お守りや御札を紛失・汚損したときの対応

お守りやお札を失くしてしまった場合の対応方法をお話しします。

紛失や汚損の場合でも、神社や寺院に相談することが大切です。多くの場合、理解を示していただけるでしょう。

お礼参りの本来の目的は感謝の気持ちを伝えることですので、物品がなくても心を込めて参拝することに意味があります。

正直に事情を説明し、感謝の気持ちをお伝えすることで、適切な対応をしていただけるはずです。

お礼参りで一緒に知っておきたい豆知識


お礼参りをより丁寧に行うための豆知識をご紹介していきます。

服装のマナーと避けたい服装

お礼参りにふさわしい服装について説明していきます。

神様にお願いをしに行くということは、目上の人に会いに行くのと同じ。例えば上司との食事会に、ジャージやビーチサンダルは着用しませんよね。願いを叶えていただく神様への敬意を忘れず、TPOにふさわしい服装を心がけましょう。

「デニム禁止」などといった具体的なルールはありませんが、縁結びのお願いに行く場合には、カジュアルすぎないファッションに身を包むのがおすすめです。また、帽子をかぶっての参拝もタブー。

清潔感のある落ち着いた服装を心がけることが大切です。

参拝の基本作法(神社と寺院の違い)

神社と寺院での参拝作法の違いについて解説していきます。

お寺でのお参りの方法をご紹介します。1.山門(大きな門)の前で一礼して入る 2.手水舎(ちょうずや)で身を清める 3.本堂の前に来たら、お賽銭をそっと入れる 4.感謝の気持ちを込めてお祈りし、お祈りのあとに一礼する。

参拝の前には必ず手水舎で手と口を清めるのがマナー。本来、神様にお目にかかる前には、禊として全身を清めなければならないといわれています。それを簡易化したのが”手水”なのです。

神社の場合は「二礼二拍手一礼」が基本ですが、出雲大社のように「四拍手」の場合もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

お礼参り当日の持ち物チェックリスト

お礼参りに必要な持ち物をまとめていきます。

基本的な持ち物:

  • 返納するお守り・お札・腹帯など
  • のし袋に入れた初穂料やお布施
  • 袱紗(ふくさ)

安産祈願のお礼参りの場合:

  • 赤ちゃんの情報:お子さんの名前、生年月日がわかるもの 母子手帳:念のため持参しておくと安心です

その他、各寺社によって必要なものがある場合がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

社務所での一言挨拶の例

社務所で職員の方にお渡しする際の挨拶例をご紹介します。

「〇月にこちらで○○祈願をしていただき、おかげさまで無事に○○することができました。感謝の気持ちを込めてお礼参りにお伺いしました」

このように、具体的な時期と祈願内容、そして結果を簡潔にお伝えすることで、職員の方にも状況を理解していただきやすくなります。

また、返納品をお渡しする際は「その時にいただいたお守り(お札)をお返しさせていただきます」と一言添えるとより丁寧です。

感謝の気持ちを素直に表現することが最も大切ですので、難しく考えすぎずに心を込めてお話しすれば十分です。

まとめ


お礼参りで返すものについて、祈願内容別の詳細から返納方法、マナーまで幅広くお伝えしてきました。

最も重要なのは、お礼参りの本質は「感謝の気持ちを伝えること」だということです。物品の返納は形式的な部分であり、心を込めて感謝をお伝えすることに真の意味があります。

基本的には、安産祈願なら腹帯・お守り・御札、合格祈願ならお守り・お札、厄除けや縁結びでも同様にいただいた授与品を返納するのが一般的です。返納場所は授与元の寺社が理想的ですが、遠方の場合は郵送や近隣の同じ宗派の寺社でも対応可能な場合があります。

お礼参りを通じて、日本の美しい伝統文化に触れ、感謝の心を育んでいくことができるでしょう。願いが叶った喜びを神仏と分かち合い、新たな人生の門出を清々しい気持ちで迎えてみてください!