お礼参りと喧嘩の関係とは?仲直り後に感謝を伝える正しい参拝方法ガイド

「お礼参りってなんだか物騒な意味でも使われるって本当?」

夫婦喧嘩やカップルの関係がうまくいかない時期が続いた後、ようやく仲直りできたとき、神様への感謝を込めて神社にお参りしたいと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、最近では「お礼参り」という言葉を調べると、報復や仕返しといった怖い意味も出てきます。

この記事では、本来のお礼参りの正しい意味と、夫婦円満や仲直りの感謝を神様に伝える参拝方法について詳しくお話ししていきます!

お礼参りの本来の意味と”喧嘩”との関係


まず、「お礼参り」という言葉の本当の意味について正しく理解していきましょう。実は、この言葉には全く異なる2つの意味があります。

お礼参りは「願いが叶った後の感謝参拝」が本来の意味

お礼参り(おれいまいり)とは、神社仏閣に願を掛け、その願いが成就した時に、お礼として礼拝や布施を行うこと。これが、「お礼参り」という言葉の本来の意味合いである。

つまり、お礼参りとは神様や仏様にお願い事をして、そのお願いが叶った時に感謝の気持ちを込めて再び参拝することです。

例えば、病気の回復を祈願して無事に治った場合や、合格祈願をして試験に受かった場合、夫婦円満を祈願して関係が改善された場合などに、神様への感謝を表すために行うのがお礼参り。

これは日本の伝統的な信仰の形であり、とても美しい習慣といえるでしょう。

“仕返し”を意味する俗語としての「お礼参り」との違い

一方で、しかし、その意味合いを転じる形で、犯罪者などが「警察に告発した者」や「裁判で不利な証言をした者」に対して行う報復行為や、あるいは学校の卒業生が在学中に恨みを持った教師あるいは上級生、同級生への報復、「上司と部下」「先輩と後輩」という立場で虐げられていた場合、関係解消後に行う報復行為などを意味することもあり、俗語といった面も含まれている。

このような意味でのお礼参りは、ヤクザが「警察に告発した者」や「裁判で不利な発言をした者」に対し、釈放後にする仕返しを意味する。皮肉を込めて「お礼」と呼んでいるのです。

しかし、これは本来の意味とは全く異なる使い方。神社や宗教とは何の関係もない俗語なので、混同しないよう注意が必要です。

喧嘩とお礼参りを結びつけて検索する人が増えている理由

では、なぜ多くの人が「お礼参り 喧嘩」と検索するのでしょうか。

まず、ドラマや映画、漫画などで「お礼参り」が報復の意味で使われることが多いため、この言葉を聞いて不安になる方がいらっしゃいます。

また、夫婦喧嘩の後に神社参拝を考えた際、「お礼参り」という言葉の意味を調べて驚く方も少なくありません。

さらに、「神様に喧嘩の仲直りをお願いしたいけれど、お礼参りという言葉が怖い意味だと知って困惑している」という相談も見受けられます。

しかし、安心してください。神社への感謝参拝と俗語の「お礼参り」は全く別物です。夫婦円満や仲直りの感謝を神様に伝えることは、とても素晴らしい行為といえるでしょう。

夫婦・カップルの喧嘩が仲直りした時に行くお礼参りのタイミング


夫婦やカップルが喧嘩の後に仲直りできた時、いつ神社にお礼参りに行けばよいのでしょうか。タイミングについて詳しく見ていきます。

仲直り後すぐに行くのがベスト?

仲直りした後のお礼参りは、いつ行っても構いません。

最も大切なのは、感謝の気持ちを持って参拝することです。そのため、気持ちが落ち着いた時、お互いの都合がつく時に行くのがよいでしょう。

ただし、あまり時間が経ちすぎると感謝の気持ちが薄れてしまう可能性があります。

できれば仲直りから1ヶ月以内、遅くとも3ヶ月以内には参拝することをおすすめします。また、お互いの気持ちが完全に落ち着いてから行くことで、より心を込めた参拝ができるはずです。

年内・年末詣としてお礼を伝える考え方

年末年始は神社参拝の特別な時期です。この時期にお礼参りを行うという考え方もあります。

年末詣では1年間の感謝を神様に伝え、初詣では新年の祈願をするのが一般的。

夫婦やカップルの場合、年末詣で「今年1年、夫婦円満に過ごせたことへの感謝」をお伝えし、初詣で「来年もよろしくお願いします」と祈願する流れは理想的といえます。

特に年の後半に仲直りした場合は、年末詣でのお礼参りがタイミング的にもぴったりでしょう。

まだ喧嘩中でも参拝してよいのか?

喧嘩の最中や関係がギクシャクしている時期でも、神社への参拝は問題ありません。

むしろ、そのような時こそ神様のお力をお借りしたいものです。

夫婦円満や縁結びの神様として有名な神社であれば、関係修復を祈願することもできます。ただし、この場合は「お礼参り」ではなく「祈願参拝」になります。

大切なのは、相手への愛情と関係改善への真摯な気持ちを持って参拝すること。神様はそのような純粋な想いを必ず受け止めてくださるでしょう。

一緒に行けないときや遠方の場合のお礼参りの代替方法


夫婦やカップルでお礼参りに行きたくても、さまざまな事情で一緒に参拝できない場合があります。そのような時の代替方法をご紹介していきます。

お礼状を送る場合の文例と表書きのポイント

どうしても参拝に行けない場合は、神社にお礼状を送ることができます。

封筒の表書きは「御礼」または「感謝」と書きましょう。

文例としては以下のような内容が適切です:

「○○神社御中

先日は夫婦円満の祈願をしていただき、ありがとうございました。

おかげさまで、主人(妻)との関係も良好になり、平穏な日々を過ごしております。

神様のご加護に心から感謝申し上げます。

本来であれば直接お礼にお伺いするべきところ、書面でのご挨拶となり申し訳ございません。

今後ともよろしくお願い申し上げます。」

手紙は丁寧な文字で書き、感謝の気持ちを込めることが重要です。

郵送で初穂料を納める方法(現金書留・定額小為替)

お礼状と一緒に初穂料をお納めしたい場合は、現金書留または定額小為替を利用します。

現金書留の場合は、のし袋に「御礼」と書いて初穂料を包み、現金書留封筒に入れて送ります。金額の目安は3,000円から10,000円程度です。

定額小為替の場合は、郵便局で購入し、のし袋に入れて送付します。

いずれの場合も、のし袋の表書きは「御礼」「御初穂料」と記載し、下段に夫婦の名前を連名で書きましょう。

事前に神社に電話連絡し、郵送でのお礼が可能かどうか確認することをおすすめします。

代参(代理参拝)をお願いする際の注意点

代参とは、本人に代わって誰かに参拝してもらうことです。

家族や親しい友人にお願いする場合は、参拝の目的と感謝の内容をしっかりと伝えましょう。

代参者には以下の点をお伝えします:

  • 夫婦円満の願いが叶ったことへの感謝であること
  • 初穂料の金額と表書きの内容
  • 参拝時に神様にお伝えしてほしい内容

ただし、神社によっては代参を受け付けていない場合もあります。

また、やはり感謝の気持ちは本人が直接お伝えするのが最も良いので、代参は最後の手段として考えることをおすすめします。

夫婦円満や仲直りにゆかりのある神社とご祭神の選び方


お礼参りをする神社を選ぶ際は、夫婦円満や縁結びにゆかりのある神社を選ぶとより意味深いものになります。

夫婦仲を取り持つ神様・菊理媛大神(白山比咩神社など)

菊理媛尊は、日本最古の歴史書「日本書紀」の中で、日本の国土を生み出した男女の神「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」と「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」の夫婦二柱(めおとふたはしら)の神様の「いさかい」の仲裁役として登場します。そこには、対峙するおふたりの前に現れた菊理媛尊が何事かおっしゃると、伊弉諾尊が「菊理媛尊のおっしゃることはもっともだ」と申されて仲直りをしたと記されています。

菊理媛大神(くくりひめのおおかみ)は、夫婦喧嘩の仲裁をしたことで有名な女神様です。

このように、男女の仲をとりもつ神話の神さまであること、また、「くくりひめ」の「くくり」とは、「紐でくくる」や「荷をくくる」というように物事をまとめる・結ぶという意味にも通じ、菊理媛尊は古来より「縁結びの神」として御神徳を仰がれております。

石川県の白山比咩神社が総本宮で、〒920-2114 石川県白山市三宮町ニ105-1 TEL (076)272-0680に鎮座しています。

全国各地に白山神社があり、どちらでも菊理媛大神のご神徳をいただくことができます。

縁結び・円満祈願で知られる神社の事例

その他にも、夫婦円満で有名な神社がたくさんあります。

川越氷川神社は、「家族円満の神様」「夫婦円満・縁結びの神様」のいる神社として知られています。埼玉県川越市に鎮座し、夫婦二組と親子の神様をお祀りしています。

三重県の二見興玉神社の夫婦岩は、男岩の高さ9m、女岩の高さ4の大小2つの岩が、夫婦仲良く並び夫婦円満の象徴とされてきました。

奈良県の春日大社の夫婦大国社は、日本で唯一ご夫婦の大國様を祀り、夫婦円満・家内安全・縁結びの神様としても有名です。

これらの神社は全国的に有名で、多くの夫婦やカップルが参拝に訪れています。

参拝先を選ぶときの考え方(ご祭神・由緒・地縁)

お礼参りをする神社を選ぶ際は、以下の3つの観点から考えてみてください。

まず、ご祭神について。夫婦円満や縁結びに関連する神様をお祀りしている神社が適しています。

次に、神社の由緒。古くから夫婦円満や縁結びで信仰を集めている神社には、それだけの理由があります。

そして、地縁も大切です。地元の氏神様や、普段からお世話になっている神社であれば、より身近に感じられるでしょう。

遠方の有名神社に行くのも良いですが、まずは身近な神社から始めてみることをおすすめします。

神様は遠近に関係なく、真摯な気持ちを持った参拝者を大切にしてくださるからです。

お守りは複数持つと神様が喧嘩する?真相と正しい扱い方


お礼参りや神社参拝に関連して、よく聞かれる質問が「お守りを複数持つと神様同士が喧嘩するのでは?」というものです。真相を調べてみました。

神社の公式見解「神様は喧嘩しない」

神社本庁教化広報センターの担当者からこのような回答が得られた。「神様のことなので、人間の立場からあれこれ言えることではありませんが、お守りを複数持っていても『神様同士がケンカするということはない』と考えていただいてよろしいかと思います」

神社本庁という神社界の最高機関が明確に「神様同士はケンカしない」と回答しています。

日本は神仏習合という考えをもっており、自然界では、それぞれ宿っている神様が違い、得意分野別に神様が別れています。そのため、複数お守りを持っても神様の役割が違うため、喧嘩はしないと言われています。

つまり、それぞれの神様には異なる役割があり、お互いに協力し合って私たちを守ってくださっているのです。

縁結びのお守りは一つに絞るべきという考え方

一方で、縁結びのお守りについては「一つに絞った方が良い」という考え方もあります。

これは神様が喧嘩するからではなく、「一つの神様にしっかりとお願いする方が気持ちが集中できる」という理由からです。

また、「複数の神社のお守りを持つより、一つの神社との関係を深めた方が良い」という考え方もあります。

しかし、これも絶対的なルールではありません。

大切なのは、それぞれのお守りに込められた神様の思いを大切にし、感謝の気持ちを忘れないことです。

複数持っている場合の扱い方と返納のマナー

複数のお守りを持っている場合は、以下の点に注意しましょう。

お守りを複数所持する際には、神様が宿っているので感謝の気持ちを忘れないようにすることが大切です。適当に扱ってしまうと、神様は私たちを身の危険から守ってくれなくなるかもしれません。

すべてのお守りを丁寧に扱い、定期的に感謝の気持ちを伝えることが重要です。

返納については、基本的にはお守りを受けた神社にお返しするのが原則。

ただし、遠方の神社のお守りの場合は、同じ系列の神社や近くの神社で受け付けてもらえることも多いです。

「神社のお焚き上げ」サービスでは、通年で郵送でのお焚き上げを受け付けており、公式サイトから「お焚き上げキット」を注文し、神社にお守りを送るだけ。最短1.5ヶ月でお焚き上げしていただくことができます。

このようなサービスを利用することも一つの方法です。

お礼参りのマナーと具体的な参拝手順チェックリスト


最後に、お礼参りを行う際の具体的なマナーと参拝手順について詳しく説明していきます。

参拝にふさわしい服装と心構え

お礼参りの服装は、神様に対する敬意を表すものが適しています。

男性はスーツまたはジャケット着用、女性はワンピースやスーツなど、きちんとした服装が理想的。

カジュアルすぎる服装(短パン、タンクトップ、サンダルなど)は避けましょう。

色は黒、紺、グレーなどの落ち着いた色が無難です。

心構えとしては、神様への感謝の気持ちを第一に考えること。

夫婦やカップルで参拝する場合は、お互いへの愛情と感謝も忘れずに。また、参拝前に気持ちを整え、謙虚な心で神様の前に立つことが大切です。

初穂料の相場とのし袋の書き方

お礼参りの初穂料の相場は、お宮参りの初穂料は、一般的に5,000円~1万円程度が目安といわれています。お礼参りの場合も同程度と考えてよいでしょう。

のし袋の書き方について:

水引の上部には玉串料、もしくは初穂料と書きます。下部に名前を書きます。姓だけでも結構ですし、フルネームを書いていただいても結構です。

夫婦連名の場合は、夫の名前を中央に書き、妻の名前をその左側に書きます。この場合、妻の苗字は省略しても大丈夫です。

金額を記入する際には大字(だいじ。壱・弐などの漢数字のこと)を用い、金額が簡単に改ざんされないようにします。

中袋には表面に金額、裏面に住所と氏名を記入します。

参拝手順(手水舎→拝礼→感謝の祈り方)

正しい参拝手順を確認しましょう。

まず、鳥居をくぐる前に衣服を整え、軽く一礼してから境内に入ります。参道は中央を避け、ゆっくりと歩きます。

手水舎では:
柄杓(ひしゃく)を右手で持ち、水を汲み左手を洗います。柄杓を左手にも持ち替え、右手を洗います。再度柄杓を右手で持ち、左手で水を受け口をすすぎます。

柄杓を縦に持ち、残った水で柄を洗い流します。柄杓は伏せて元の位置に戻します。

拝礼では:
「二拝二拍手一拝」は「二礼二拍手一礼」とも言われます。最初に行う深い2度のお辞儀(二礼)は、神様への敬意と感謝を表しています。二拍手は、鈴を鳴らすのと同じ意味と考えられており、拍手の音で邪気を払うとされています。

お賽銭を入れ、鈴を鳴らしてから二礼二拍手一礼の順序で参拝します。

感謝を伝える参拝文例(そのまま使えるフレーズ集)

お礼参りで神様に感謝を伝える際の文例をご紹介します:

「○○神社の神様、いつもお守りいただきありがとうございます。

先日は夫婦円満をお祈りしたところ、おかげさまで主人(妻)との関係も良好になり、穏やかな日々を過ごすことができています。

神様のご加護に心から感謝申し上げます。

これからも夫婦仲良く、お互いを大切にしながら歩んでまいります。

どうぞ今後ともお見守りください。」

心を込めて、自分の言葉で感謝を伝えることが最も大切です。定型文にとらわれず、素直な気持ちを神様にお伝えしましょう。

まとめ


「お礼参り」という言葉には、神様への感謝参拝という美しい本来の意味と、俗語としての報復という意味があります。

夫婦やカップルが喧嘩の後に仲直りした際の神社参拝は、もちろん前者の意味での素晴らしい行為です。

お礼参りは特別な時期を設ける必要はなく、感謝の気持ちを持った時に行えば十分。菊理媛大神をはじめとする夫婦円満の神様にお参りすることで、より深い意味を持つでしょう。

お守りを複数持つことも全く問題なく、神様同士が喧嘩することはありません。

大切なのは、神様への感謝と相手への愛情を忘れず、謙虚な心で参拝すること。

これからも夫婦やカップルで支え合いながら、神様に感謝の気持ちを伝え続けていってください!