「お礼参りって怖いって聞いたんだけど、本当に行っても大丈夫?」
このような不安を抱えながらお参りを控えている方も多いのではないでしょうか。お礼参りには本来「感謝の参拝」という意味がありますが、俗語の影響で怖いイメージが広まってしまいました。
この記事では、お礼参りが怖いと言われる理由から、正しい参拝方法まで詳しくお伝えしていきます。安心してお礼参りができるよう、しっかりとサポートさせていただきます!
「お礼参り=怖い」と言われる理由と本来の意味

お礼参りの本来の意味は「感謝の参拝」
お礼参りとは、本来神社仏閣に願いを掛けて、その願いが成就した時に感謝の気持ちを伝えるために行う参拝のことです。
つまり、神様や仏様への感謝を表現する、とても温かい意味の行為なのです。
たとえば、受験合格や病気回復、商売繁盛などの願いが叶った際に、「ありがとうございました」という気持ちを込めて神社やお寺を訪れることが、お礼参りの本来の姿です。
俗語としての「報復行為」との混同が広まった背景
しかし、この言葉には別の意味も存在しています。それが「報復行為」を意味する俗語としての使用法です。
具体的には、犯罪者が刑期を終えた後に告発者へ報復したり、学校の卒業生が恨みを持った教師へ嫌がらせを行ったりする行為を指すようになりました。
このような使い方が広まったため、「お礼参り」という言葉自体に怖いイメージが付いてしまったのです。
「行かないと祟られる」という噂が広まった理由
また、お稲荷様に関して「一度お参りしたら、お礼参りを怠ると祟りがある」といった噂も広がりました。
しかし、これは単なる迷信であり、実際には神様が人を祟ることはありません。
このような噂が生まれた背景には、神様への敬意を忘れずに持ち続けることの大切さを伝える教訓的な意味があったのです。つまり、感謝の気持ちを持ち続けることが重要だということを伝える例え話だったのが、いつの間にか文字通りの恐怖として受け取られるようになってしまいました。
つまり、神社や寺院でのお礼参りは決して怖いものではありません。むしろ、神様への感謝を表す美しい行為なのです。次の章では、安心してお礼参りを行うための正しい作法をご紹介していきます!
怖がらずに安心できる!お礼参りの正しい作法と流れ

参拝前の準備(手水舎での清め方)
神社やお寺に着いたら、まず手水舎で心身を清めましょう。これは禊を簡略化した儀式で、清々しい気持ちでお参りするための大切な準備です。
手順は次のとおりです:
- 右手で柄杓を持ち、たっぷりと水をくんで左手を清めます
- 左手に柄杓を持ち替えて、右手を清めます
- 再び右手で柄杓を持ち、左手のひらに水を受けて口をすすぎます
- 最後に柄杓を立てて、持ち手部分に水を流して清めます
この一連の作法は、柄杓一杯の水で行うのが基本です。また、柄杓に直接口をつけたり、水を飲んだりしないよう注意しましょう。
拝礼の基本「二拝二拍手一拝」と地域ごとの違い
神社での参拝は、一般的に「二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)」の作法で行います。
具体的な手順をご説明します:
- 軽くお辞儀をしてからお賽銭を入れます
- 鈴がある場合は鈴を鳴らします
- 深いお辞儀を2回行います(二拝)
- 胸の前で2回拍手します(二拍手)。この時、右手を少し手前にずらすのがポイントです
- 感謝の気持ちを込めてお祈りします
- 最後にもう一度深いお辞儀をします(一拝)
地域による違いについて:出雲大社では「二礼四拍手一礼」、大祭礼時は「二礼八拍手一礼」など、神社によって特殊な作法がある場合があります。事前に確認しておくと安心です。
感謝の気持ちを伝える際の言葉の例
お礼参りでは、具体的に感謝の気持ちを神様に伝えることが大切です。心の中で以下のような言葉をお伝えしてみてください:
- 「○○の件で無事に願いが叶いました。ありがとうございました」
- 「おかげさまで心願成就いたしました。深く感謝申し上げます」
- 「1年間お守りいただき、ありがとうございました」
このように、住所や名前とともに、具体的に何に感謝しているかを伝えることで、より丁寧なお礼参りになります。
いつ行く?お礼参りの時期とタイミングの目安

願いが叶った直後に行うのが理想
お礼参りに行くタイミングとして最も理想的なのは、願いが叶った直後です。
たとえば、合格発表があった日や、商談が成功した時など、喜びの気持ちが新鮮な時に神様に感謝を伝えることができれば、より心のこもったお礼参りになります。
ただし、必ずしもその日に行く必要はありません。自分の気持ちが整い、神様に感謝したいと自然に思えた時が、最適なタイミングなのです。
一年以内が目安とされる理由
一般的に、お礼参りは祈願から1年以内に行うのが良いとされています。
これには「今年のお礼は今年のうちに」という考え方があり、12月31日までにお礼参りを済ませることが推奨されています。そのため、お礼参りは「年末詣」とも呼ばれているのです。
この期間の目安は、お守りやお札の効力が一般的に1年とされていることとも関連しています。ただし、これは厳格なルールではなく、あくまで目安として考えていただければ十分です。
叶わなかった場合でもお礼参りをした方がよいケース
実は、願いが完全に叶わなかった場合でも、お礼参りをすることには意味があります。
たとえば以下のようなケースです:
- 第一志望ではなかったが、別の学校に合格できた
- 完治とはいかなかったが、病気の症状が軽くなった
- 大きな事故や災難を免れることができた
- 無事に一年間過ごすことができた
このように、目に見えないご加護や、気づかないうちに守られていたことに対して感謝の気持ちを表すことも、とても意味のあるお礼参りになります。
大切なのは、「願いが叶ったかどうか」ではなく、「感謝の気持ちを持てるかどうか」です。一年間支えてくださった神様への感謝を込めて、お礼参りをしてみてください!
よくある不安Q&A(行けないとき・複数社にお願いしたとき・稲荷神社が怖いなど)

遠方や多忙で直接参拝できないときの代替方法
「お参りした神社が遠方にあって、直接行くのが難しい…」そんな時でも大丈夫です。以下のような代替方法があります:
- 近くの同じ神様を祀った神社での参拝:本来は祈願した同じ神社が理想ですが、難しい場合は近くの神社でも感謝の気持ちは伝わります
- 心の中での感謝:物理的に参拝できなくても、心から感謝の気持ちを込めてお祈りすることで、十分お礼の意味があります
- 機会があるときの参拝:出張や旅行で近くを通る機会があれば、その時にお礼参りをすることもできます
何よりも大切なのは、感謝の気持ちを持ち続けることです。形式にこだわりすぎる必要はありません。
複数の神社にお願いした場合はどうする?
受験や就職活動などで、複数の神社にお参りした場合のお礼参りについても心配はいりません。
理想的には、それぞれの神社にお礼参りをするのが最も丁寧な方法です。しかし、現実的に全ての神社を回るのが困難な場合は、以下のような方法でも構いません:
- 最も印象に残った神社や、特に力をいただけたと感じる神社を中心にお礼参りをする
- 地元の氏神様に、代表してお礼の気持ちをお伝えする
- それぞれの神社に心の中で感謝の気持ちを向ける
神様は心の状態を見ていらっしゃるので、真摯な感謝の気持ちがあれば、必ず通じるはずです。
稲荷神社は本当に怖いのか?誤解を解説
稲荷神社について「怖い」「行ってはいけない」という噂を耳にすることがありますが、これは完全な誤解です。
お稲荷様は本来「稲の神様」「五穀豊穣の神様」で、私たちの主食であるお米を守ってくださる、とても身近で優しい神様なのです。
なぜ「怖い」というイメージが生まれたのでしょうか?
- 神様の力が強いため:ご利益が強力な半面、畏敬の念が恐れの感情につながってしまうことがある
- 俗説の広まり:「一度参拝すると辞められない」「お礼参りをしないと怖い」といった根拠のない噂が広まった
- 独特の景観:赤い鳥居や狐の像が神秘的に感じられ、威圧的に思われることがある
- 数の多さ:全国に約3万~4万社もある稲荷神社の多さから、様々な都市伝説が生まれやすい
実際には、お稲荷様は商売繁盛、家内安全、交通安全など、現代の私たちの生活に密着したご利益をくださる神様として、多くの人に愛され続けています。
稲荷神社への参拝やお礼参りも、他の神社と全く同じように、敬意を持って行えば何の問題もありません。明るい気持ちで参拝してみてください!
お守り・御札の返納や願解きの正しい方法

授与所や古札納所での返納手順
お礼参りの際に、お守りや御札を返納する場合の正しい手順をご説明します。
多くの神社やお寺の境内には、「古札納所(こさつおさめしょ)」や「お守り納め所」という専用の納め場所が設置されています。
返納の手順:
- 境内の古札納所を探します(見当たらない場合は社務所や寺務所で尋ねる)
- お守りや御札を丁寧に納め所に入れます
- 感謝の気持ちを込めて、軽くお辞儀をします
- お賽銭として気持ち程度の金額(100円~500円程度)をお納めします
年末年始には特設の納め所が設けられることも多く、この時期は特に返納しやすくなっています。
郵送で返納する場合の注意点
遠方の神社やお寺からいただいたお守りを返納したい場合、郵送での返納を受け付けている場合があります。
郵送返納の手順:
- 事前確認:まず神社やお寺に電話で、郵送での返納が可能かを確認します
- 包装:お守りを半紙または白い紙で包みます
- 添付書類:一筆箋に「お焚き上げ希望」「感謝の気持ち」を簡潔に書きます
- お焚き上げ料:お守りと同程度の金額(1000円程度)を現金書留で送ります
- 封筒記載:「お守り在中」と赤字で記載し、四角で囲みます
郵送時の注意点:
- 必ず事前に郵送可能かを確認する
- 現金を送る場合は必ず現金書留を使用する
- 丁寧な文面でお礼の気持ちを伝える
- すべての神社・お寺が郵送を受け付けているわけではない
願解きの意味と行い方
「願解き(がんほどき)」とは、願いが叶った後に神様との約束を解く儀式のことです。特に大きな願いや重要な祈願をした場合に行われます。
願解きの方法:
- 正式参拝:通常の参拝よりも丁寧に、祈祷を申し込んで行う場合が多い
- 感謝報告:願いが叶ったことを具体的に神様に報告する
- お礼の品:初穂料として3000円~5000円程度をお納めする
- 今後の決意:これからも神様の教えに従って生きていく決意を伝える
ただし、願解きは必須ではありません。心からの感謝の気持ちがあれば、通常のお礼参りでも十分に気持ちは伝わります。
お礼参りをさらに安心して行うための持ち物・服装・マナーまとめ

持参するとよいもの(初穂料・お供えなど)
お礼参りの際に持参するとよいものをご紹介します:
- お賽銭:5円、10円、50円、千円札など。金額よりも感謝の気持ちが大切です
- 初穂料:より丁寧に感謝を伝えたい場合は、のし袋に3000円~5000円程度を「御礼」と表書きして
- 返納するお守り・御札:1年間お世話になったものがあれば持参
- ハンカチ・タオル:手水での手拭き用
- お供え物:特別な感謝がある場合は、お米やお酒、お菓子など(事前に確認を)
ただし、これらはあくまで「あるとよいもの」であり、必須ではありません。最も大切なのは感謝の気持ちです。
服装で気をつけるべきポイント
お礼参りの服装は、神聖な場所にふさわしい清潔感のある服装を心がけましょう。
おすすめの服装:
- 男性:シャツにスラックス、またはスーツ。ジャケット着用でより丁寧
- 女性:ブラウスにスカートまたはパンツ。ワンピースも適切
- 色合い:黒、紺、グレーなどの落ち着いた色が無難
- 靴:革靴やパンプスなど、きちんとした靴
避けるべき服装:
- 露出の多い服装(ミニスカート、タンクトップなど)
- 派手すぎる色やデザイン
- カジュアルすぎる服装(Tシャツ、短パン、サンダルなど)
- アクセサリーの重ね付けや派手なメイク
ただし、フォーマルな服装が必須というわけではありません。「神様にお会いする」という気持ちで、清潔で落ち着いた服装を選んでみてください。
境内で避けたい行為と心がけたいマナー
お礼参りを含め、神社やお寺では以下のマナーを心がけましょう:
心がけたいマナー:
- 境内では静かに歩く
- 参道の中央は神様の通り道なので、端を歩く
- 鳥居をくぐる際は軽くお辞儀をする
- 他の参拝者の迷惑にならないよう配慮する
- 携帯電話は音を消し、通話は控える
- 写真撮影は許可された場所のみで行う
避けたい行為:
- 大声での会話や笑い声
- 境内での飲食(許可された場所以外)
- 神聖な場所での不謹慎な行動
- お賽銭を投げ入れる(そっと入れるのが正しい)
- 手水舎で柄杓に直接口をつける
- 御神体や神具に無断で触れる
特に大切な心構え:お礼参りは感謝の気持ちを伝える場です。形式や作法も大切ですが、最も重要なのは心からの感謝の気持ちです。緊張しすぎず、リラックスして神様との対話を楽しんでみてください!
まとめ

この記事では、「お礼参りは怖い」という誤解を解消し、安心してお礼参りができるよう詳しくお伝えしてきました。
お礼参りの本来の意味は、神様や仏様への感謝を表現する美しい行為です。俗語での使われ方や迷信により怖いイメージが付いてしまいましたが、決して恐れる必要はありません。
また、正しい参拝方法や時期、服装マナーについても詳しくご紹介しました。しかし、何よりも大切なのは形式ではなく、心からの感謝の気持ちです。
願いが叶った時、無事に一年を過ごせた時、そして神様に守られていると感じた時には、ぜひ感謝の気持ちを込めてお礼参りをしてみてください。きっと心が晴れやかになり、新たな気持ちで歩んでいけるはずです!
最後に一つアドバイス:お礼参りを通じて、日頃から感謝の気持ちを持つ習慣を身につけることも大切です。神様への感謝だけでなく、周りの人々や自然、日常の小さな幸せにも目を向けて、豊かな心で毎日を過ごしていきましょう。
お礼参りは決して怖いものではありません。
感謝の気持ちを大切に、安心してお参りしてみてください。
あなたの心からの感謝は、必ず神様に届いているはずです。




