お礼参りで迷わない!鈴虫寺(華厳寺)の正しい作法と郵送返納の全ガイド

「鈴虫寺でお願いした願いが叶ったけど、お礼参りはどうすればいいの……」

願いが成就したときに感じる感謝の気持ち。しかし、正しいお礼の仕方や返納方法がわからず、戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では鈴虫寺(華厳寺)での正しいお礼参りの作法から、遠方で直接行けない場合の郵送返納まで、詳しくお伝えしていきます。

また、参拝時のマナーやアクセス方法、周辺観光スポットも合わせてご紹介していくので、心を込めてお礼を伝える準備を整えていきましょう!

鈴虫寺でのお礼参りの基本作法


願いが叶った方は、幸福地蔵菩薩様に感謝を伝えるお礼参りをしていきます。ここでは、鈴虫寺ならではの正しい作法をお話ししていきますね。

お礼参りとは?参拝の意味と目的

お礼参りとは、願いが叶ったときに感謝を伝えるために再び参拝することです。鈴虫寺では、一願成就のお地蔵様である幸福地蔵菩薩様に具体的にお礼を申し上げる大切な儀式になります。

単なる義務ではありません。感謝された側は好印象を持ち、「また助けてあげたい」と思うものなのです。

実際に、祈願とお礼参りを繰り返し10回以上も願い事を叶えたという人もいるそうですから、継続的なご縁を築く意味でも重要な作法といえるでしょう。

願いが叶ったときの感謝の伝え方

まず先にお地蔵様の前で手を合わせ、お礼を伝えて感謝することから始めます。お地蔵様は境内の門の前にいらっしゃり、境内に入らなくても会うことができるのが特徴です。

したがって、受付の列に並ぶ前にお地蔵様へ直接お礼を伝えることもできるのです。

心を込めて「おかげさまで願いが叶いました。ありがとうございます」と素直に感謝の気持ちを伝えてみてください。

住所・氏名・一願を伝える正しい作法

鈴虫寺では、お地蔵様に願いを伝える際に特別な作法があります。まず、自分の名前と住所を先に伝えることが重要です。

なぜなら、お地蔵様はわらじを履いて、願いを叶えに来てくださるからなのです。お礼参りの際も同様に、住所と氏名をお伝えしてから感謝の言葉を述べていきましょう。

また、一度にお伝えできるお願いごとは一つのみという決まりがあるため、お礼も一つの願いに対して明確に感謝を表現することが大切です。

御守の返納と新しい願いの流れ

お地蔵様へお礼を伝えた後に、受付所にある返納箱へ御守を返納するのが正しい順序になります。ただし、多くの方が先に返納してから後でお礼を伝えているケースもあるようです。

お願いごとが叶ったらお礼参りをして、参拝して新しく幸福御守をいただくと、また新しいお願いごとをすることができるとのことです。つまり、返納と新しい御守の授与を同時に行うことで、次の願いへとつながっていきます。

新しい御守は、法話を聞いた後に授与していただけるシステムです。

初めてでも安心!お礼参りの手順と流れ


実際にお礼参りに行く際の具体的な流れをご紹介していきます。初めての方でもスムーズに参拝できるよう、詳しく見ていきましょう。

拝観受付から法話までの流れ

先ず、80段の石段の参道を登っていただいた先に山門があります。山門をくぐり、先ずは受付にお越しください。個人でご参拝のお方はご予約は必要ございません。

受付終了後、客殿に入殿していただきます。こちらのお部屋で鈴虫が一年中鳴いています。そして、鈴虫が鳴いている部屋でお茶とお菓子を召し上がっていただきながら30分程度のお話(法話)をお聞きいただきます。

法話開始時間 1回目 9:00 2回目 9:50 3回目 10:40 4回目 11:30 5回目 12:20 6回目 13:10 7回目 14:00 8回目 14:50 9回目 15:40 10回目 16:20となっています。

庭園散策と幸福地蔵菩薩への参拝

法話終了後、御守りや御札をご希望のお方は御守や御札を授与させていただきます。その後、庭園を周っていただき、最後にお地蔵様にお参りいただきます。

庭園では季節ごとの美しい風景を楽しむことができます。特に秋の紅葉や冬の雪景色は格別で、雪が降り積もる日には、辺り一面が白銀の世界になる光景は圧巻です。

また、境内には京都市街を一望できるポイントもありますので、ゆっくりと散策を楽しんでみてください。

お礼参りの全体所要時間の目安

所要時間は約40分ですが、お礼参りの場合は感謝をお伝えする時間も含めて、余裕を持って1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。

ただし、季節や時間帯によっては混雑し約1時間程度の待ち時間が生じる場合もございます。特に土日祝日は混雑する傾向にあるため、待ち時間も考慮した計画を立てることをおすすめします。

混雑を避けるためのタイミングとコツ

空いている時間帯は、朝や夕方頃です。そのため、遠方から足を運ぶ場合は、京都に早朝着の夜行バスで行くのがおすすめとされています。

拝観時間は、9時~17時まで。最終受付は16時30分となっているため、朝一番の9時頃や午後の遅い時間帯が比較的空いているでしょう。

また、平日の方が土日祝日より混雑が少ない傾向にありますので、可能であれば平日の参拝をおすすめします。

遠方で行けない場合の郵送返納ガイド


遠方にお住まいの方や、事情により直接参拝できない場合でも、郵送でお礼参りを行うことができます。正しい方法をご紹介していきますね。

郵送返納は可能?寺側の対応と注意点

鈴虫寺では、お礼参りにお寺まで赴くことができない場合、郵送でも御守の返納を受け付けてくださっています。これは、遠方の方や病気や怪我で移動が困難な方のための配慮です。

ただし、郵送はやむを得ない場合の方法ということですので行くのが面倒くさいなどの横着な気持ちで送ってもらうのは控えましょう。あくまでも真にやむを得ない事情がある場合の特別な対応であることを理解しておくことが大切です。

宛先・封筒の書き方と同封メモの例文

郵送先の住所は以下の通りです:

〒615-8294 京都府京都市西京区松室地家31 妙徳山華厳寺(鈴虫寺)

封筒は白い封筒を使用し、御守は白い紙に包むと良いそうです。同封する手紙の例文をご紹介します:

前略 御寺にて縁結びのお願いをしたところ、お蔭さまで運命の方と巡り会うことができました。 直接感謝の気持ちを伝えたいところですが、遠方で御寺に伺うことが難しいため、大変恐縮でございますが、郵送にてお守りを返納させて頂きたく存じます。 ご多忙のところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。 早々(女性の場合は「かしこ」) 住所○○○○ 名前○○○○

このように、感謝の気持ちと郵送になる理由を丁寧に記載することが重要です。

郵送のタイミングと志納金の目安

郵送する前に「幸福御守」の「幸」の字が見えるように両手ではさんで京都の鈴虫寺の方角にお礼を言ってから封筒に入れて郵送しましょう。

鈴虫寺の所在地:京都府京都市西京区松室地家町31の方角を確認してから、自宅でお礼をお伝えすることが大切です。

新しい御守をお願いする場合は、郵送の場合お守り1個の価格が500円なので、「欲しい数×500円分の郵便小為替」を同封します。ただし、令和7年2月1日より価格変更を予定されているため、事前に確認することをおすすめします。

郵送返納で避けたいNG行為

まず、まったくの新規の人は郵送してもらえないので、まずは一度は鈴虫寺を拝観してください。過去に参拝経験がある方のみが郵送返納を利用できるシステムです。

また、御守をむき出しのまま送ることは避けましょう。必ず白い紙に包むか、丁寧に梱包してから郵送することが礼儀です。

さらに、感謝の気持ちを表す手紙を同封せずに御守だけを送ることも適切ではありません。必ずお礼の言葉を添えることが大切です。

鈴虫寺参拝時のマナーと注意点


鈴虫寺を訪れる際に知っておきたいマナーや注意点をお伝えしていきます。気持ちよく参拝するために、事前に確認しておきましょう。

参拝時の服装や身だしなみのポイント

鈴虫寺では特別に厳格な服装規定はありませんが、神聖な場所であることを念頭に置いた服装を心がけることが大切です。

靴を脱いで本堂に入るため脱ぎやすい靴で訪れるのがおすすめです。また、正座をする必要はありませんが、椅子が必要なお方はご用意させていただきますので、足に不安がある方は遠慮なくお申し出ください。

季節に応じた服装で、露出の多い服装は避けるのが無難でしょう。

法話を聞くときの作法と心構え

説法中は私語を控え、スマートフォンはマナーモードに設定しましょう。当寺の住職や副住職をはじめ数名の僧が、お寺のことやお参りの仕方、あるいは日々の心の持ち方についてお話しいたします。

皆さんが様々な悩みから解き放たれ、心和やかに、生き生きと過ごされるお手伝いができればと考えておりますので、どうぞ気分を楽にしてお聞きください。

法話では鈴虫寺の歴史や幸福地蔵菩薩様への参拝方法なども教えていただけるため、メモを取ったり質問したりすることも可能です。

写真撮影のルールと禁止事項

本堂内では写真撮影はNGです。鈴虫の音を聞きながらの法話の時間は、写真撮影ではなく心でしっかりと受け止めることが大切です。

ただし、境内の庭園や山門、幸福地蔵菩薩様の前での記念撮影は可能です。他の参拝者の迷惑にならないよう配慮しながら撮影を楽しんでください。

撮影の際は、フラッシュの使用や大きな音を立てることは避けましょう。

志納や御守授与の際のマナー

拝観料:大人500円、子供300円(4才~中学生)です。また、お守りは700円(内税)となっています(2025年2月1日より価格変更予定)。

御守を授与していただく際は、住職や職員の方への感謝の気持ちを込めて丁寧にお礼を申し上げましょう。また、授与された御守は大切に扱い、説明書もしっかりと読んで正しい持ち方を理解することが重要です。

お釣りの用意がない場合もあるため、できるだけちょうどの金額を用意しておくと良いでしょう。

アクセスと周辺スポットを活かした参拝プラン


鈴虫寺へのアクセス方法と、合わせて回りたい周辺スポットをご紹介していきます。効率的な参拝プランを立てる参考にしてみてください。

京都駅・嵐山からのアクセス方法

京都駅からは、京都バス73・83系統 鈴虫寺ゆきで、終点下車/約60分が最も便利です。京都駅から、京都バス【73、83番 鈴虫寺ゆき、270円、のりばC6】を利用しましょう。

また、市バス28系統 大覚寺ゆきで「松尾大社」下車、徒歩15分/約60分というルートもあります。

電車利用の場合は、阪急電車「嵐山線松尾大社駅」下車、徒歩15分が最寄りです。地下鉄烏丸線で四条駅まで行き、阪急電車に乗り換えて桂駅、松尾大社駅から徒歩約15分というルートになります。

バス・タクシー・徒歩の比較と所要時間

バス:京都駅から「鈴虫寺」バス停まで約57分。料金は230円程度で最も経済的です。

電車:所要時間:全行程で約30分前後で鈴虫寺に到着できます。乗り換えが必要ですが、時間の読みやすさが魅力です。

タクシー:京都駅から鈴虫寺まで約24分、料金は約3,500円です。4人で利用すれば1人当たり約875円となり、時間を優先したい場合におすすめです。

時間重視なら電車、料金重視ならバス、快適さ重視ならタクシーと使い分けると良いでしょう。

周辺のおすすめスポット(竹の寺・松尾大社・苔寺)

鈴虫寺周辺には魅力的な観光スポットが点在しています。

松尾大社:松尾大社(まつのおたいしゃ)は、京都最古の神社の一つで、大宝元(701)年秦氏がこの地に神殿を建立したのが始まり。約0.875kmの距離で、徒歩でおよそ17分半で到着できます。

地蔵院(竹の寺):一休禅師が、幼少のころに修行をされた寺として知られています。「竹の寺」とも言われるほど竹林の美しさで知られます。

苔寺(西芳寺):世界遺産『古都京都の文化財』を構成する資産のひとつ。約30,000㎡(野球のグラウンド3つ分程度)の広さの庭園を緑の絨毯のように覆いつくす苔がとても美しい。ただし、往復はがきによる事前拝観申し込みが必要です。

半日で巡る参拝モデルコース

午前中コース(約4時間)

9:00 京都駅出発(京都バス73系統) 10:00 鈴虫寺到着・お礼参り(1時間) 11:00 松尾大社参拝(30分) 11:30 地蔵院(竹の寺)散策(45分) 12:15 昼食・休憩

このコースなら無理なく主要スポットを回ることができます。松尾大社の境内にある甘味処「団ぷ鈴(だんぷりん)」でみたらし団子を味わうのもおすすめです。

苔寺を含める場合は事前予約が必要なため、別日に設定するか1日コースとして計画することをおすすめします。

鈴虫が一年中鳴く理由と寺の魅力


鈴虫寺の最大の特徴である「一年中鳴く鈴虫」の秘密と、寺院としての魅力をお伝えしていきます。

特殊な飼育環境と寺の工夫

鈴虫自体はショーケースの中で飼われ、1年中鈴虫に適した気温や明りの調整をすることで、1年中、鈴虫の音色を聞くことができるそうです。

約6000匹の鈴虫が温度管理された虫かごで飼育されていて、一年中鈴虫の音色を聞くことができます。ただし、音色を発するのはオスの鈴虫なので、約3000匹のオスが美しい音色を奏でているのです。

成せばなる”という当寺の教えにあるように、一年中なく鈴虫の音は、28年もの歳月をかけて完成させたものだそうで、まさに努力の結晶といえるでしょう。

鈴虫寺の歴史と幸福地蔵菩薩の由来

鳳潭(ほうたん)という学僧が、華厳宗の復興のため1723年に創立。1868年には臨済宗に改修され、現在は臨済宗の単立寺院です。正式名称は妙徳山華厳寺ですが、通年鈴虫が鳴いているため、「鈴虫寺」という愛称で親しまれています。

鈴虫寺のお地蔵様の正式名は、幸福地蔵大菩薩様です。そして、鈴虫寺のお地蔵様はわらじを履いていらっしゃいます。お願いごとをした人の自宅まで、わらじを履いて、願いを叶えに来てくださるという信仰があります。

日本で唯一わらじをはいています。我々を救ってくださるために歩いてきてくださるのだそうで、この特徴が多くの参拝者を惹きつける理由の一つになっています。

季節ごとの境内の見どころ

:新緑が美しく、桜の季節には境内が華やかに彩られます。竹の新芽も美しく、生命力あふれる季節です。

:鈴虫の音色とともにお坊様たちのお話を聞く「鈴虫説法」が特に涼やかに感じられる季節。緑深い境内で心を癒すことができます。

:「鈴虫寺」という名の通り、鈴虫が最も活動的になる秋の季節が見頃。紅葉で赤く色づいた境内を眺めつつ、鈴虫達が奏でる音色を聴くと、自然と安らかな気持ちになります。

:秋だけでなく、冬も美しいことで有名。雪が降り積もる日には、辺り一面が白銀の世界に。境内には京都市街を一望できるポイントもありますので、冬模様を存分にお楽しみいただけます。

四季を通じて異なる表情を見せる境内は、何度訪れても新たな発見があることでしょう。特に鈴虫の音色は季節を問わず響き渡り、どの時期に訪れても心を癒してくれます。

まとめ


鈴虫寺でのお礼参りは、感謝の気持ちを込めて正しい作法で行うことが大切です。

直接参拝する場合は、まずお地蔵様に感謝をお伝えしてから受付で御守を返納し、法話を聞いた後に新しい御守をいただくという流れになります。遠方で直接行けない場合でも、郵送での返納が可能ですので、事情に応じて適切な方法を選択してみてください。

お礼参りを通じて、これまでの感謝を伝えるとともに、新たな願いへの第一歩を踏み出していきましょう。幸福地蔵菩薩様とのご縁を大切にしながら、心穏やかな日々を過ごしていかれることを願っています。