「結婚式の日取りを決めたいけど、鬼宿日って大丈夫なの?」

カレンダーを見ていると、たまに目にする「鬼宿日」という言葉。
鬼という文字が入っていて、なんとなく縁起が悪そうなイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし実は、鬼宿日は基本的にはとても縁起が良い吉日です。

ただし、婚礼に関することだけは凶とされているため、結婚式や入籍の日取りを決める際には注意が必要となります。
この記事では、鬼宿日が婚礼だけ凶とされる理由や、結婚に関わる行事での正しい使い分け方をお伝えしていきます!

鬼宿日はなぜ「婚礼だけ凶」と言われるのか?

まず、鬼宿日がなぜ婚礼だけは避けるべきとされているのか、その意味と由来を見ていきましょう。
理由を知ることで、どう向き合えばよいかも見えてきます。

鬼宿日の読み方と意味(きしゅくび/きしゅくにち)

鬼宿日は「きしゅくび」または「きしゅくにち」と読みます。

その意味は「鬼が宿にいて外に出ない日」というもの。
鬼が家にこもって外を出歩かないため、鬼に邪魔されることなく、何事もスムーズに進むという非常に縁起の良い日とされているんです!

「鬼」という文字から怖いイメージを持たれがちですが、実際には鬼が動かないことで私たちに幸運をもたらす吉日なのです。

二十八宿の中での位置づけと起源(月の道を28に分ける暦法)

鬼宿日は「二十八宿」という古代中国の暦法に基づいています。

二十八宿とは、月の運行を観察するために天空を28等分した区画のこと。
その中の一つが「鬼宿」であり、28日周期で巡ってくる仕組みです。

古代中国の周の時代に天文学のために用いられ始め、その後インドに伝わって吉凶を占う方法として発展しました。
そして唐の時代に再び中国へ、さらに日本にも伝わってきたという長い歴史があります。

日本では7〜8世紀の高松塚古墳やキトラ古墳にも二十八宿図が描かれているほど、古くから親しまれてきた考え方なんですよ。

「鬼が家に宿る」寓意が婚礼と相性が悪い理由

なぜ鬼宿日は婚礼だけが凶とされるのでしょうか。

それは「鬼が宿(家)にいる日」という意味が関係しています。
結婚とは新しい家に入ること、つまり嫁入りを意味するため、鬼がいる家に嫁が入ると鬼と鉢合わせしてしまうと考えられたからです。

この考え方は、昔ながらの嫁入り文化が色濃く残っていた時代の名残といえるでしょう。
現代の価値観からすると少し古めかしい理由に感じられるかもしれませんね。

古来から”万事吉・婚礼凶”とされてきた背景

鬼宿日は二十八宿の中でも最上の吉日とされています。

一説によると、お釈迦様が生まれた日が鬼宿日だったため、特に縁起が良いとされるようになったといわれているんです。
そのため、婚礼以外のあらゆることにおいて大吉の日とされてきました!

ただし、先述の「鬼と嫁が鉢合わせする」という考え方から、婚礼関係だけは避けるべきとされてきたのです。
つまり「婚礼以外は何をしても良い日」という珍しい特徴を持つ吉日なんですよ。

鬼宿日と六曜・他の暦注の関係を整理しよう

鬼宿日について理解を深めるには、他の暦注との関係も知っておくことが大切です。
ここでは、よく知られる六曜などとの重なりについて整理していきます。

「大安×鬼宿日」はどちらを優先すべき?

カレンダーを見ていると、大安と鬼宿日が重なる日があることに気づくでしょう。

大安は六曜の中で最も縁起が良い日とされ、婚礼にも最適な日です。
一方、鬼宿日は婚礼には凶とされているため、どちらを信じればよいか迷ってしまいますよね。

基本的には、どちらの暦注を重視するかはご自身やご家族の考え方次第となります。
大安を重視する方が多い現代では、大安であれば鬼宿日でも問題ないと考える人も少なくありません。

ただし、年配の方の中には鬼宿日を気にされる方もいらっしゃるため、ご家族とよく相談してみることをおすすめします!

不成就日・黒日・受死日との違いと注意点

鬼宿日以外にも、気をつけたい凶日がいくつかあります。

不成就日は「何事も成就しない日」とされ、新しいことを始めるには向かない日。
受死日や十死日は特に凶とされる日で、婚礼や引っ越しなどは避けた方が良いとされています。

これらの凶日が鬼宿日と重なった場合、鬼宿日の吉の効果が半減するか、なくなってしまうと考えられています。
そのため、鬼宿日であっても不成就日などと重なっている日は避けた方が無難でしょう。

鬼宿日でも吉となる例外的なケースは?

では、婚礼以外ではどんなことが鬼宿日に向いているのでしょうか。

実は鬼宿日は、宝くじの購入や財布の新調、開業・開店、引っ越し、旅行、契約など、幅広い用途で縁起が良いとされているんです!
特に金運に関することとの相性が良く、新しいことを始める日としても最適とされています。

また、神社やお寺への参拝も鬼宿日に行うと良いとされているため、お釈迦様が生まれた日にちなんで祈願するのもおすすめですよ。
婚礼以外なら基本的に何でも吉というのが、鬼宿日の大きな特徴なのです。

結婚に関わる行事で「避ける・避けなくてよい」を判定!用途別ガイド

それでは、結婚に関わるさまざまな行事について、鬼宿日に行っても良いかどうかを具体的に見ていきましょう。
行事の種類によって判断が変わってくるんです。

挙式・披露宴 → 避けるのが無難

結婚式の挙式や披露宴は、まさに「婚礼」そのもの。

したがって、鬼宿日は避けた方が無難といえます。
特にご両親やご親族が暦を気にされる場合は、別の日を選ぶことをおすすめします!

もちろん、本人たちが気にしないのであれば絶対にダメというわけではありません。
ただし、一生に一度の大切な日だからこそ、不安要素は少ない方が良いでしょう。

入籍日 → 本人の価値観で判断OK

婚姻届を提出する入籍日についても、伝統的には婚礼に含まれるため鬼宿日は避けるべきとされています。

しかし、入籍は二人だけで行うものであり、挙式ほど周囲を巻き込むものではありません。
そのため、本人たちの価値観や考え方で判断して問題ないでしょう。

気になる場合は他の吉日を選び、気にならなければ記念日や語呂合わせの良い日を優先するのも一つの方法ですよ!

顔合わせ・結納 → 問題なし(吉)

両家の顔合わせや結納は、鬼宿日に行っても全く問題ありません。

なぜなら、これらは婚礼の準備段階であり、婚礼そのものではないからです。
むしろ鬼宿日の「何事もスムーズに進む」という吉の効果を受けられるため、縁起の良い日といえるでしょう!

両家の親睦を深める大切な機会だからこそ、吉日を選びたいですよね。
鬼宿日なら安心して予定を組めます。

前撮り・指輪受け取り・契約・支払い → 吉(縁を結ぶ準備として◎)

結婚に関連する準備も、鬼宿日には向いています。

前撮り撮影や結婚指輪の受け取り、式場との契約、費用の支払いなどは、すべて「婚礼の準備」に該当します。
これらは婚礼そのものではないため、鬼宿日に行っても縁起が良いとされているんです!

特に契約ごとは鬼宿日に行うと順調に進むといわれているため、積極的に選んでみても良いでしょう。
結婚という新しいスタートに向けた準備として、鬼宿日は最適な日なのです。

引っ越し・旅行・開業 → むしろ吉とされる日

新婚生活のための引っ越しや新婚旅行も、鬼宿日には大変向いています。

鬼宿日は移動を伴うことや新しいことを始めることに吉とされているため、引っ越しや旅行には最適な日なんです!
また、結婚を機に開業や転職をする場合も、鬼宿日を選ぶと良いスタートが切れるでしょう。

このように、婚礼以外の結婚関連の行事では、鬼宿日は積極的に活用できる吉日といえます。
上手に使い分けることで、より縁起の良い日取りを選べますよ。

どうしても鬼宿日しか選べない時の対応策

スケジュールの都合などで、どうしても鬼宿日しか予定が組めない場合もあるでしょう。
そんなときの対応策をいくつかご紹介していきます!

挙式・入籍を分けて行う「分離プラン」

一つの方法として、挙式と入籍の日を分けるという選択肢があります。

入籍は鬼宿日以外の吉日に済ませ、挙式は別の都合の良い日に行うという形です。
これなら、正式な結婚記念日は縁起の良い日にできますし、挙式の日取りも柔軟に決められます!

実際、入籍と挙式を別の日に行うカップルは多く、珍しいことではありません。
むしろメリットも多い方法といえるでしょう。

天恩日・母倉日・大明日・一粒万倍日などの”補い吉日”を重ねる

鬼宿日でも、他の強力な吉日と重なっている日を選ぶという方法もあります。

天赦日は「天が万物の罪を赦す日」とされ、年に5〜6回しかない最上の吉日です。
一粒万倍日は「始めたことが万倍になって返ってくる」とされる縁起の良い日。

また、母倉日は「母が子を慈しむように天が人を慈しむ日」で、特に婚礼に向く吉日とされています。
大明日は「太陽の光が隅々まで照らす日」で、あらゆることに吉の日です。

これらの強力な吉日が鬼宿日と重なっていれば、婚礼の凶を打ち消してくれると考えることもできるでしょう!
複数の吉日が重なる日を探してみるのもおすすめですよ。

神社での祈願・お清めで心を整える方法

気持ちの面で不安が残る場合は、神社で祈願やお清めをするという方法もあります。

結婚式の前に神社を参拝し、お二人の門出を見守っていただくようお祈りすることで、心が落ち着くはずです。
鬼宿日はもともとお釈迦様が生まれた日ともいわれる吉日ですから、神仏とのご縁も深い日なんですよ!

形式よりも、お二人の気持ちが前向きになることの方が大切です。
不安を取り除く一つの手段として、検討してみてください。

家族・親族へ説明する時の伝え方例文

ご家族が鬼宿日を気にされる場合、どう説明すればよいか悩みますよね。

その際は、次のような伝え方を参考にしてみてください。
「鬼宿日は基本的に大吉の日で、婚礼以外は全て縁起が良いとされています。また、大安とも重なっていますので、問題ないと考えています」

あるいは「現代では科学的根拠のない迷信という考え方もありますし、私たちとしては二人が納得できる日を選びたいと思っています。ご理解いただけると嬉しいです」という伝え方もあるでしょう。

大切なのは、ご家族の気持ちも尊重しつつ、お二人の意思をしっかり伝えることです!
丁寧に説明すれば、きっと分かっていただけるはずですよ。

よくある質問Q&A:迷いや不安を解消!

ここからは、鬼宿日に関してよく寄せられる質問にお答えしていきます。
疑問をクリアにして、自信を持って日取りを決めていきましょう!

鬼宿日は本当に婚礼だけNG?他の行事は?

はい、鬼宿日が凶とされるのは婚礼関係のみです。

具体的には挙式・披露宴・入籍・お見合いなど、婚姻に直接つながる行事が該当します。
それ以外の顔合わせ・結納・前撮り・指輪の購入・式場見学などは、全く問題ありません!

むしろ婚礼以外はあらゆることに吉とされるため、積極的に活用できる日なんです。
引っ越し、旅行、開業、財布の購入、宝くじの購入なども縁起が良いとされていますよ。

両親・親族が気にする場合の対処法は?

ご両親や親族が暦を気にされる場合は、まず丁寧に話し合うことが大切です。

鬼宿日の本当の意味や、他の吉日との重なりなどを説明し、お二人がなぜその日を選びたいのかを伝えましょう。
それでも納得していただけない場合は、入籍日と挙式日を分ける、あるいは別の日を検討するという妥協案も考えられます。

ただし、お二人の意思が最も重要であることは忘れないでください!
家族の気持ちも大切ですが、最終的には新郎新婦が納得できる選択をすることが何より大切なのです。

式場プランナーに相談する時のコツ

式場のプランナーさんに相談する際は、正直に不安な点を伝えましょう。

「鬼宿日が気になっているのですが、どう思われますか」と率直に質問してみてください。
プランナーさんは多くのカップルを見てきているため、経験に基づいたアドバイスをくれるはずです!

また、その日に結婚式を挙げた先輩カップルの例なども聞いてみると参考になるでしょう。
実際に鬼宿日に挙式を行い、幸せな結婚生活を送っている方は大勢いらっしゃいますよ。

どうしても気になるときの心の整え方

理屈では納得できても、やはり気になってしまうこともあるでしょう。

そんなときは、「自分たちで選んだ日だから」という気持ちを大切にしてください。
お二人が話し合って決めた日であれば、それが最良の選択なのです!

また、吉日や凶日はあくまで参考程度に考え、お二人の絆や愛情の方がずっと大切だと考えてみましょう。
幸せな結婚生活を送るかどうかは、日取りではなくお二人の努力次第なのですから。

前向きな気持ちで当日を迎えることが、何よりも大切ですよ!

他の吉日・凶日も知っておこう!「暦の使い分け」で後悔しない日選び

最後に、鬼宿日以外の主な吉日・凶日についてもご紹介していきます。
幅広く知識を持っておくことで、より良い日取りを選べるようになりますよ!

結婚に向く吉日(天赦日・一粒万倍日・母倉日・大明日など)

結婚に特に向いている吉日をいくつかピックアップしていきます。

天赦日は年に5〜6回しかない最上の吉日で、何を始めても成功するとされる特別な日です。
一粒万倍日は始めたことが万倍になって返ってくるとされ、結婚のような大きなスタートに最適とされています!

母倉日は「母が子を慈しむように天が人を慈しむ日」という意味があり、特に婚礼に向く日です。
大明日は太陽の光が隅々まで照らす日で、未来につながる婚姻関係や引っ越しに良いとされています。

天恩日は天の恩恵を全ての人が受けられる日で、5日間連続で訪れるのが特徴です。
これらの吉日が重なる日は、特に縁起が良いとされていますよ。

避けた方がよい凶日(不成就日・黒日・受死日など)

一方で、避けた方が良いとされる凶日もあります。

不成就日は何事も成就しない日とされ、新しいことを始めるには向きません。
結婚や入籍、開業などは避けた方が無難でしょう。

受死日や十死日は特に凶とされる日で、婚礼や引っ越し、重要な契約などは避けるべきとされています。
また、六曜の中では仏滅や赤口が凶日とされていますが、これらは気にしない方も増えてきています!

寅の日は金運には良いものの、「出たものが戻ってくる」という意味から婚礼には不向きとされているため注意が必要です。

2026年の「婚礼におすすめの吉日」

2026年の婚礼におすすめの日をいくつかご紹介していきます。

3月5日(木)は天赦日・一粒万倍日・大安の3つが重なる最強の吉日です!
7月19日(日)も天赦日・一粒万倍日・大安が重なり、日曜日なので結婚式にぴったりでしょう。

10月1日(木)は天赦日と一粒万倍日が重なる日、12月16日(水)も天赦日・一粒万倍日に甲子の日が加わる特別な日です。
これらの日は非常に人気が高いため、早めの予約をおすすめします!

他にも、母倉日や大明日、天恩日などが複数重なる日も縁起が良いとされています。
2026年は吉日が多い年なので、選択肢が豊富ですよ。

最終的には”ふたりの気持ち”を優先するという考え方

ここまで様々な吉日・凶日をご紹介してきましたが、最も大切なのはお二人の気持ちです。

暦注や吉日はあくまで参考であり、科学的な根拠があるわけではありません。
お二人が「この日がいい」と思える日を選ぶことが、何よりも重要なのです!

出会った日、プロポーズされた日、二人の思い出の日など、お二人にとって特別な意味のある日を選ぶのも素敵ですよね。
あるいは、語呂合わせで覚えやすい日を選ぶのも一つの方法でしょう。

周囲の意見も参考にしつつ、最終的にはお二人が心から納得できる日を選んでください。
その日がお二人にとっての最良の日となるはずですよ!

まとめ

鬼宿日は婚礼以外のあらゆることに吉とされる特別な日です。

婚礼に関しては「鬼と嫁が鉢合わせする」という古い言い伝えから凶とされていますが、挙式や入籍以外の顔合わせ・結納・前撮りなどは全く問題ありません。
むしろ婚礼の準備には最適な日といえるでしょう!

どうしても鬼宿日に挙式をする場合は、他の強力な吉日と重なっている日を選んだり、入籍日を別に設けたりする方法もあります。
また、ご家族が気にされる場合は、丁寧に説明し理解を求めることが大切です。

ただし、最も重要なのはお二人の気持ちであることを忘れないでください。
吉日や凶日はあくまで参考程度に考え、お二人が心から納得できる日を選ぶことが、幸せな結婚生活への第一歩となるのです!

この記事が、お二人の素敵な門出の日選びのお役に立てれば幸いです。