「引っ越し前にお祓いってしたほうがいいのかな……」
そんな疑問を抱えながら新生活の準備を進めている方も多いのではないでしょうか。
新しい住まいでの暮らしをより良いものにするために、お祓い(清祓)は古くから日本で大切にされてきた習慣です。しかし、どこに依頼すればいいのか、費用はいくらかかるのか、何を準備すればいいのかわからず不安に感じる方も少なくありません。
この記事では引っ越し前のお祓いについて、依頼先の探し方から具体的な手順、当日の流れまで詳しくお伝えしていきます。さらに、吉日の選び方や自分でできるお清め方法もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください!
引っ越し前のお祓い(清祓)とは?意味・必要性・名称の違いをわかりやすく整理
まず、引っ越し前のお祓いについて基本的なことから理解していきましょう。
お祓いや清祓という言葉を聞いても、具体的に何をするのか、なぜ必要なのかピンとこない方もいるかもしれません。ここではお祓いの意味や必要性について、わかりやすく説明していきます!
祓い・清祓・家祓・入居清祓・引越祓の違いを一目で理解する
引っ越しに関連するお祓いには、いくつかの呼び方があります。
これらは基本的に同じ意味を持っていますが、神社や地域によって使われる名称が異なっているんです。「祓い」は不浄なものを取り除く神道の儀式全般を指し、「清祓(きよはらい)」も同様に清め祓う意味を持ちます。
また「家祓(いえはらい)」は家全体を清める儀式のことです。「入居清祓」や「引越祓」は、新しい住まいに入居する際に行う祓いを特に指しています。
どの名称を使っても、新居の邪気を祓い家族の健康と安全を祈願するという目的は共通しているので安心してください。神社に問い合わせる際は「引っ越しのお祓いをお願いしたい」と伝えれば、しっかり対応してもらえますよ!
お祓いは”義務ではない”が多くの人が選ぶ理由
結論から言うと、お祓いは法律で定められた義務ではありません。
しかし、新築一戸建てを建てる際の地鎮祭の実施率は9割近くにのぼるというデータもあり、多くの日本人がお祓いを大切な習慣として考えていることがわかります。ではなぜ義務でもないのに、これほど多くの方がお祓いを選ぶのでしょうか。
一つ目の理由は、心理的な安心感を得られるからです。目に見えない邪気や前の住人の気配を祓うことで、清々しい気持ちで新生活をスタートできます。
二つ目は、日本の伝統的な価値観として、土地の神様や家の神様に挨拶をするという習慣が根付いているためです。これから住む場所の守り神に敬意を払い、家族の健康と繁栄を祈願することは、多くの方にとって大切な儀式となっています!
新築・中古・賃貸でお祓いの意味はどう変わる?ケース別に解説
お祓いの意味は、物件の種類によって少しずつ異なります。
新築物件の場合は、建物が無事に完成したことへの感謝と、これから始まる新生活の安全を祈願する意味が強くなります。工事に関わった多くの人々のエネルギーが残っているため、それらを清めて新しいスタートを切るという意味もあるんです。
一方、中古物件では前の住人の気や気配を祓うという意味合いが加わります。特に長く住んでいた方がいた場合、その方の生活のエネルギーが染み付いていることがあるため、お祓いをすることでリセットする効果が期待できます。
賃貸住宅も中古物件と同様に、前の入居者の気を清めるためにお祓いを行うことが多いです。ただし賃貸の場合は、大家さんや管理会社に事前に相談しておくことが大切ですよ!
不安・違和感がある時に清祓が選ばれる心理的メリット
「なんとなく気になる」「ちょっと不安」という感覚は、お祓いを検討する十分な理由になります。
実際、多くの方がこうした漠然とした不安を解消するためにお祓いを選んでいるんです。心理学的にも、儀式を行うことで気持ちの区切りをつけ、前向きな気持ちになれることが知られています。
特に中古物件や事故物件ではないものの何となく気になるという場合、お祓いをすることで「もう大丈夫」という安心感が得られます。この安心感が、新生活を楽しく前向きに始めるための大きな後押しになるんです。
科学的な根拠はなくても、精神的な安定を得られることは決して小さなメリットではありません。気持ちよく新生活をスタートさせたいと思う方にとって、お祓いは有効な選択肢と言えるでしょう!
いつやる?引っ越し前後のベストタイミングと日取りの決め方(六曜・吉日・こだわり派向け方位)
お祓いを決めたら、次に気になるのは「いつやるか」ですよね。
タイミングを間違えると、引っ越し作業と重なって慌ただしくなったり、せっかくのご利益が半減してしまったりすることも。ここでは理想的なタイミングと、縁起の良い日取りの選び方について詳しく見ていきましょう!
理想は「荷物搬入前」。間に合わない時は”入居後でもOK”の理由
お祓いの理想的なタイミングは、荷物を搬入する前です。
家具や荷物がない状態のほうが、神主さんが部屋全体を清めやすく、祭壇を設置するスペースも確保しやすいからです。特に広い一軒家やマンションの場合、各部屋をしっかりと祓うためには空間があったほうがスムーズに進みます。
しかし、スケジュールの都合で荷物搬入前にお祓いができない場合もあるでしょう。そんな時でも安心してください。
入居後にお祓いをしても、その効果は変わりません。大切なのは「清めたい」という気持ちと、きちんと儀式を行うことなんです。荷物がある状態でも、玄関や居間など中心となる場所に祭壇を設ければ問題なくお祓いを行えますよ!
六曜で簡単に日取りを決める方法(大安・先勝・友引の使い分け)
日本では古くから、六曜を参考に縁起の良い日を選ぶ習慣があります。
六曜とは「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」の6つの日柄のことで、それぞれに吉凶の時間帯が決まっています。最も縁起が良いとされるのは「大安」で、1日中何をするにも良い日とされているため、お祓いの日取りとして人気が高いです。
次に縁起が良いのは「友引」ですが、正午の時間帯のみ凶とされています。そのため午前中か午後遅めの時間にお祓いを設定すると良いでしょう。
「先勝」は午前中が吉とされる日です。お祓いを午前中に済ませて、午後から荷物の搬入を始めるというスケジュールも組みやすく、実用的な選択肢と言えます。
一方「仏滅」は最も縁起が悪いとされますが、気にしない方や神社の予約が取りやすいメリットを優先する方もいます。六曜はあくまで参考程度に考え、自分の都合に合わせて柔軟に決めることも大切ですよ!
こだわり派のための吉日(天赦日・一粒万倍日など)と選び方
六曜以外にも、縁起の良い日はたくさん存在します。
特に注目したいのが「天赦日(てんしゃび)」です。天赦日は年に数回しか訪れない最高の吉日で、すべての神様が天に昇り罪を赦す日とされています。新しいことを始めるのに最適な日なので、新生活のスタートであるお祓いにもぴったりなんです。
また「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」も人気の吉日です。一粒の籾が万倍にも実るという意味から、始めたことが大きく発展する日とされています。
2026年でこれらの吉日が重なる最強開運日は、3月5日、7月19日、10月1日、12月16日です。なかでも3月5日は天赦日・一粒万倍日・大安・寅の日が一度にそろう年間最強クラスの吉日とされているので、この日にお祓いができれば最高ですね!
さらに運気を重視したい人向けの”方位の考え方”のやさしい解説
運気にこだわりたい方は、方位についても知っておくと良いでしょう。
九星気学や風水では、引っ越しの方位によって運気が変わると考えられています。自分の生年月日から「本命星」を調べ、その年の吉方位を確認することで、より良い運気を取り込むことができるとされているんです。
ただし、方位については専門的な知識が必要で、年や月によっても変動します。もし方位が気になる場合は、九星気学に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
また、万が一凶方位に引っ越さなければならない場合でも、神社で「方位除け」や「八方除け」のお祓いを受けることで、災いを避けることができると言われています。引っ越し先が決まってしまった後でも対策はできるので、心配しすぎる必要はありませんよ!
日取り選びで迷ったときの判断基準|動ける日が最良の吉日
吉日にこだわりすぎて、かえって動けなくなっては本末転倒です。
実際、最も大切なのは「自分が気持ちよく動ける日」を選ぶことなんです。仕事の都合や家族のスケジュール、引っ越し業者の予約状況など、現実的な条件を考慮することも重要になります。
たとえば大安や天赦日は人気が高いため、神社の予約が取りにくかったり、引っ越し料金が高くなったりすることもあるでしょう。そんな時は「友引」や「先勝」など、次点の吉日を選ぶのも賢い選択です。
また、六曜を気にしない方も増えてきています。約7割の方が引っ越しの日取りに六曜をあまり気にしていないというデータもあるんです。
結局のところ、自分自身が納得して前向きな気持ちで新生活をスタートできることが何より大切。吉日は参考にしつつも、自分にとって都合の良い日を「最良の吉日」と考えることも、一つの知恵と言えるでしょう!
お祓いの依頼先はどこが正解?神社・お寺の選び方と確実に依頼できる探し方
お祓いをすると決めたら、次は依頼先を探す必要があります。
「どの神社に頼めばいいの?」「お寺でもできるの?」と迷う方も多いでしょう。ここでは失敗しない依頼先の選び方と、確実に受けてもらえる神社の探し方をご紹介していきます!
まずは氏神神社に相談するのが基本|調べ方も丁寧に解説
お祓いを依頼する際、最も基本となるのは「氏神神社(うじがみじんじゃ)」です。
氏神神社とは、自分が住んでいる地域を守ってくださる神様を祀っている神社のこと。新しい土地に引っ越す場合、その土地の氏神様にご挨拶するのが日本の伝統的な考え方なんです。
氏神神社の調べ方はいくつかあります。最も確実なのは、各都道府県の神社庁に電話で問い合わせる方法です。住所を伝えれば、その地域の氏神神社を教えてもらえます。
また、最近では神社庁のホームページに検索機能が用意されている場合もあります。「○○県 神社庁」で検索してみると、住所から氏神神社を調べられるサイトが見つかることも多いですよ。
他にも、その地域に長く住んでいる方や町内会の方に聞いてみるのも有効な方法です。地域の歴史を知る方なら、どこが氏神神社なのか詳しく教えてくれるでしょう!
氏子地域外でも受けてくれる神社はある?確認ポイント一覧
必ずしも氏神神社に依頼しなければならないわけではありません。
実際、氏子地域外からの依頼も受け付けている神社は多く存在します。ただし、神社によって方針が異なるため、事前に確認しておくことが大切なんです。
確認すべきポイントは以下の通りです。まず、出張祈願を行っているかどうか。神社に来てもらう形式のお祓いを希望する場合、出張可能な範囲を聞いておきましょう。
次に、氏子地域外からの依頼を受け付けているかどうか。受け付けている場合でも、料金が異なることがあるので確認が必要です。
また、お供え物は神社で用意してくれるのか、自分で準備する必要があるのかも重要なポイントになります。準備物の内容や数量は神社によって異なるため、詳しく聞いておくと安心ですよ!
出張祈願が可能な神社の見つけ方(HPのどこを見る?)
神社のホームページで出張祈願の情報を探す際は、いくつかのポイントがあります。
まず「ご祈祷」「出張祭」「出張祈願」といったページを探してみましょう。これらのページに「入居のおはらい」「家祓」「清祓」などの項目があれば、出張でのお祓いを受け付けている可能性が高いです。
料金が明記されている場合もあれば、「お気持ちで」となっている場合もあります。料金の記載がない時は、直接電話で問い合わせるのが確実です。
また、問い合わせフォームがある神社なら、メールで事前に相談することもできます。ただし、返信に数日かかることもあるため、急ぎの場合は電話での問い合わせがおすすめですよ!
お寺に依頼するケース|神社との違いと注意点
お祓いは基本的に神道の儀式なので、神社に依頼するのが一般的です。
しかし、仏教のお寺でも厄除け祈願や読経による清めを行っている場合があります。特に普段から縁のあるお寺がある方は、そちらに相談してみるのも良いでしょう。
ただし注意点として、浄土真宗では祈祷という考え方がないため、お祓いは行っていません。また、お寺に依頼する場合の料金は「御布施」という形になり、相場は20,000円から50,000円程度とされています。
神社とお寺では儀式の内容や雰囲気が異なるため、どちらが自分に合っているか考えてみることも大切です。神社では祝詞を奏上し榊で清めるのに対し、お寺では読経によって清めるという違いがあるんです。
自分の信仰や家の宗教観に合わせて選ぶと、より気持ちが落ち着いて儀式に臨めるでしょう!
賃貸・マンションの場合の注意|管理会社へ事前に確認すべきこと
賃貸住宅やマンションでお祓いを行う場合、必ず事前に管理会社や大家さんに確認しておきましょう。
特に確認すべきポイントは、お祓いのために神主さんを呼ぶことについての許可です。マンションによっては、宗教的な儀式を禁止している場合もあるため注意が必要なんです。
また、お供え物として日本酒や塩を使用することについても伝えておくと安心です。儀式の後はきちんと片付けることを説明すれば、多くの場合理解してもらえるでしょう。
入居前にお祓いをする場合は、鍵の受け渡しや入室のタイミングについても調整が必要になります。不動産会社に相談すれば、スムーズに段取りを組んでもらえることが多いですよ!
依頼方法を完全ガイド|電話・メールの伝え方テンプレ・費用相場・のし袋の書き方まで
依頼先が決まったら、いよいよ実際に申し込みをしていきます。
「何て言えばいいの?」「失礼のない伝え方は?」と不安な方のために、ここでは具体的な依頼方法をテンプレート付きで解説していきます。費用やのし袋の準備についても詳しく見ていきましょう!
電話でそのまま使える依頼文テンプレ(例文つき)
電話で依頼する際は、以下のような流れで伝えると スムーズです。
「お忙しいところ恐れ入ります。○○に引っ越すことになりまして、新居のお祓いをお願いしたいのですが、出張でのお祓いは可能でしょうか?」
このように切り出せば、神社側も状況を理解してくれます。その後、以下の情報を伝えましょう。
新居の住所、希望する日時(第3候補まで用意しておくと良いです)、家族構成や物件の種類(一戸建て・マンションなど)。これらの情報があれば、神社側も適切な対応を考えてくれます。
また、費用やお供え物の準備について質問することも大切です。「初穂料はおいくらでしょうか?」「お供え物は用意したほうがよろしいでしょうか?」と聞いておくと、当日慌てることがありませんよ!
メール・問い合わせフォーム用の文例テンプレ
メールや問い合わせフォームで依頼する場合の文例をご紹介します。
「件名:引っ越しのお祓いについてのお問い合わせ」
「○○神社 御中
はじめてご連絡させていただきます。△△と申します。
この度、□月□日に××市○○町へ引っ越すことになりました。つきましては、新居のお祓いをお願いしたく、ご連絡いたしました。
出張でのお祓いは可能でしょうか。可能でしたら、以下の日程でお願いできればと存じます。
第1希望:□月□日(○曜日)午前中
第2希望:□月□日(○曜日)午後
第3希望:□月□日(○曜日)終日
また、初穂料の金額や、こちらで準備すべきお供え物などがございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。」
このように丁寧に書けば、失礼のない問い合わせができるでしょう!
初穂料・御布施の相場と”なぜ幅があるのか”の理由
お祓いの料金は、一般的に20,000円から50,000円程度が相場とされています。
なぜこれほど幅があるのか疑問に思う方もいるでしょう。実は料金に幅がある理由は、いくつかの要因が関係しているんです。
まず、神社の格式や地域によって料金設定が異なります。都市部の有名な神社では高めに設定されていることが多く、地方の小さな神社では比較的安価な場合もあるんです。
次に、出張費用の有無も大きな要因です。神主さんに自宅まで来ていただく場合、交通費や出張料が加算されることがあります。距離によっては、10kmにつき数千円が追加されることもあるでしょう。
また、お供え物や授与品(お札やお守り)が含まれているかどうかでも金額が変わります。すべて神社で用意してくれる場合は高めに、自分で準備する場合は安めになることが多いですよ!
のし袋の選び方・表書きの書き方・包み方を丁寧に説明
初穂料を納める際は、のし袋に入れるのがマナーです。
のし袋は紅白の水引がついたものを選びましょう。水引は蝶結び(何度でも結び直せる=繰り返し良いことがあるように)のものが適しています。コンビニや100円ショップでも購入できるので、事前に用意しておくと安心です。
表書きには、上段に「御初穂料」または「御玉串料」と書きます。お寺の場合は「御布施」と書きましょう。
下段には、お祓いを受ける人の氏名をフルネームで書きます。家族全員で受ける場合は、世帯主の名前を書くか「○○家」と書くのが一般的です。
お札は新札を用意し、向きを揃えて入れるのがマナーとされています。お札の表面(人物が描かれている面)が、のし袋の表側を向くように入れましょう!
出張費・車代・供物の準備は誰がする?事前に確認すべきこと
出張でお祓いをお願いする場合、いくつか確認しておくべきことがあります。
まず出張費についてです。初穂料に含まれている場合もあれば、別途請求される場合もあります。事前に「出張費は別でしょうか?」と確認しておくと安心でしょう。
車代については、神社によって考え方が異なります。出張費として既に含まれている場合は不要ですが、別途お渡しするのが丁寧だと考える地域もあるんです。
お供え物の準備については、必ず確認が必要です。一般的には、お米(1合)、お酒(1升)、塩(小皿1杯)、水(コップ1杯)、魚(尾頭付き)、野菜(3種類)、果物(3種類)などが必要とされています。
ただし、神社によってはすべて用意してくれる場合もあります。無駄な準備を避けるためにも、事前に「お供え物はこちらで用意したほうがよろしいでしょうか?」と聞いておくことが大切ですよ!
予算が限られている人が失礼なく相談する方法
引っ越しには何かとお金がかかるため、お祓いの予算を抑えたいと考える方もいるでしょう。
そんな時は、正直に相談してみることをおすすめします。多くの神社では、状況に応じて柔軟に対応してくれるんです。
例えば「引っ越しで費用がかさんでおり、予算が限られているのですが、初穂料はどのくらいからお願いできるでしょうか?」と素直に聞いてみましょう。神社によっては最低金額を教えてくれたり、お供え物を簡素化する提案をしてくれたりすることもあります。
また、神社に出向いてお祓いを受ける方法なら、出張費がかからず費用を抑えられます。所要時間は40分程度で、料金も5,000円程度からという神社もあるんです。
「お気持ちで」と言われた場合でも、最低5,000円程度は包むのがマナーとされています。感謝の気持ちを込めて、無理のない範囲でお納めすることが大切ですよ!
当日の流れと準備チェック|服装・所要時間・準備物・気を付けることをシミュレーション解説
依頼が済んだら、いよいよお祓い当日を迎えます。
どんな流れで進むのか、何を準備すればいいのか、事前に知っておけば安心して当日を迎えられるでしょう。ここでは当日の流れから準備物まで、詳しくシミュレーションしていきます!
当日の流れを時系列で解説(到着→祝詞→玉串→片付け)
お祓い当日の一般的な流れをご紹介します。
まず、約束の時間の10分前には神主さんをお迎えできるよう準備しておきましょう。神主さんが到着したら、祭壇を設置する場所までご案内します。
祭壇の準備が整ったら、儀式が始まります。神主さんが祝詞(のりと)を奏上し、家や土地を清めてくださるんです。この間、参列者は静かに頭を下げて聞いています。
祝詞の後、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。これは榊の枝を神前に捧げる儀式で、神主さんが作法を教えてくれるので初めてでも安心です。
すべての儀式が終わったら、お札やお守りをいただきます。その後、神主さんが祭壇を片付けて、儀式は終了です。
最後に初穂料をお渡しして、お見送りします。一連の流れは30分から40分程度で終わることが多いですよ!
所要時間の目安と、時間帯の決め方
お祓いにかかる時間は、準備から片付けまで含めて1時間程度を見ておくと安心です。
儀式そのものは20分から30分程度ですが、神主さんの到着や祭壇の設置、片付けの時間も考慮する必要があります。引っ越し作業と並行して行う場合は、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
時間帯の決め方については、六曜を参考にするのも一つの方法です。先勝の日なら午前中、先負の日なら午後、友引なら正午を避けた時間帯が良いとされています。
また、実用的な観点から考えると、午前中にお祓いを済ませて午後から荷物の搬入を始めるというスケジュールが組みやすいでしょう。神社側のスケジュールもあるため、希望時間は複数用意しておくことをおすすめします!
事前に準備するもの一覧(神酒・米・塩・水・果物など)
お供え物を自分で準備する場合、以下のものを用意しましょう。
お米は1合(約150g)を洗わずに器に盛ります。お酒は清酒1升(1.8リットル)を用意し、できれば箱入りでのしをつけたものが丁寧です。塩は小皿1杯分、水もコップ1杯分を用意してください。
魚は尾頭付きのもの(鯛など)を1尾、または小さい魚なら2~3尾用意します。野菜は人参、キャベツ、きゅうりなど3種類を色とりどりに大皿に盛りましょう。
果物もりんご、バナナ、みかんなど3種類を大皿に盛ります。乾物として昆布やわかめ、鰹節なども用意しておくと良いでしょう。
これらの準備物は神社によって異なる場合があるため、必ず事前に確認してくださいね!
服装はどこまで気を付ける?好印象のマナー
お祓いの際の服装は、普段着でも問題ありません。
しかし、神様の前で行う儀式ですから、あまりにもカジュアルすぎる格好は避けたほうが良いでしょう。男性ならシャツにスラックス、女性ならワンピースやブラウスにスカート程度の服装が適しています。
スーツを着る必要はありませんが、清潔感のある服装を心がけることが大切です。引っ越し作業と並行する場合でも、お祓いの時間だけはきちんとした格好に着替えることをおすすめします。
また、屋外での儀式ではないため、天候に合わせた服装も考慮しておきましょう。冬なら暖かく、夏なら涼しい格好で臨めば、落ち着いて儀式に参加できますよ!
祭壇の場所・スペースの作り方|マンションの場合の注意点
祭壇は、家の中心となる場所に設置するのが一般的です。
一戸建てなら居間やリビング、マンションなら玄関から入って最初の広い空間が適しています。畳2畳分程度(約180cm×180cm)のスペースがあれば十分でしょう。
祭壇を置く場所には、何も置かれていない状態にしておきます。荷物がある場合は、事前に移動させておくとスムーズです。
マンションの場合、天井が低い部屋では注意が必要になります。また、エレベーターがない場合は、神主さんに階段での移動をお願いすることになるため、事前に伝えておくと親切です。
床の素材にも気を配りましょう。畳やフローリングなら問題ありませんが、カーペットの場合は清潔な状態にしておくことが大切ですよ!
ペット・子どもがいる家庭の配慮ポイント
ペットや小さな子どもがいる家庭では、いくつか配慮が必要です。
ペットは別の部屋に移動させておくか、ケージに入れておくことをおすすめします。犬や猫が儀式中に動き回ってしまうと、神主さんも集中できませんし、お供え物を倒してしまう可能性もあるんです。
小さな子どもがいる場合は、できるだけ静かに過ごせるよう工夫しましょう。お気に入りのおもちゃや絵本を用意しておくと良いかもしれません。
また、儀式の時間が長くなる場合は、途中で授乳やおむつ替えができるよう、別室を確保しておくと安心です。
神主さんに事前に「小さな子どもがおります」と伝えておけば、理解してくださることがほとんどです。無理に静かにさせようとしてストレスを感じるより、できる範囲で配慮することが大切ですよ!
神社に依頼できないときの代替案|自分でできる新居のお清め方法と”してはいけない注意点”
様々な事情で神社に依頼できない場合もあるでしょう。
そんな時でも、自分でお清めをする方法があります。ここでは自宅で簡単にできるお清め方法と、賃貸住宅で絶対に避けるべき注意点について詳しく見ていきましょう!
盛り塩・塩・酒・お香など”自分でできる清め方”まとめ
自分でお清めをする方法として、最もポピュラーなのが「盛り塩」です。
盛り塩は、天然の粗塩(海水から作られたもの)を白い小皿に円錐形に盛る方法。玄関の両脇や部屋の四隅など、家の奥から玄関に向かって設置していきます。一箇所につき大さじ3杯程度の塩を使い、霧吹きで少し湿らせると形を整えやすいでしょう。
お酒を使った清め方もあります。日本酒(清酒)を用意し、水回り(キッチン、浴室、トイレ、洗面所)を中心に少量ずつ振りまく方法です。その際「祓い給え、清め給え、守り給え、幸え給え」と心の中で唱えると良いとされています。
お香やセージを焚いて空間を浄化する方法も効果的です。各部屋を回りながら煙を行き渡らせることで、邪気を祓うことができると言われているんです。
これらの方法は組み合わせて行っても構いません。自分がやりやすい方法を選んでみてください!
賃貸で絶対にやってはいけない清め方(火気・塩まきなど)
賃貸住宅でお清めをする際は、いくつか絶対に避けるべきことがあります。
まず、火を使う清め方には十分注意が必要です。お香やセージを焚く際は、火災報知器が反応しないよう窓を開けて行いましょう。煙が多く出るものは避けたほうが無難です。
塩を床にまく方法も、賃貸では避けるべきです。特にフローリングやカーペットに塩をまくと、シミになったり素材を傷めたりする可能性があるんです。塩を使う場合は必ず小皿に盛る「盛り塩」の形にして、床に直接触れないようにしてください。
また、壁や柱に何かを貼り付ける、穴を開けるといった行為も厳禁です。お札を貼りたい場合は、マスキングテープなど跡が残らない方法を使いましょう。
賃貸では原状回復義務があるため、退去時にトラブルにならないよう十分配慮することが大切ですよ!
自分で清めた後に”神社に依頼してもOK”という大事なポイント
自分でお清めをした後でも、神社にお祓いを依頼することは全く問題ありません。
むしろ、引っ越し直後に自分でお清めをして、落ち着いてから改めて神社にお祓いを依頼するという方も多いんです。この順序なら、慌ただしい引っ越し当日を避けて、じっくりと儀式に臨めるというメリットもあります。
また、自分でお清めをしてみたものの「やはり神主さんにきちんとお祓いしてもらいたい」と感じた場合も、遠慮なく依頼して大丈夫です。
神社側も、そうした事情は理解してくれます。「以前に自分でお清めをしたのですが、改めてお祓いをお願いしたい」と正直に伝えれば、快く受けてくれるでしょう!
清めとお祓いの違いをやさしく説明
最後に、「清め」と「お祓い」の違いについて整理しておきましょう。
「清め」は、自分たちで塩や酒などを用いて簡易的に場を浄化する行為を指します。手軽に行えるため、日常的な邪気払いや入居前の簡単な浄化に適しているんです。
一方「お祓い」は、神職や僧侶といった専門家が祝詞や読経、特別な儀式を通じて神仏の力を借りて不浄なものや邪気を祓う行為です。家全体や土地など広範囲にわたる浄化や、より強い効果を期待する場合に行われます。
どちらが優れているということではなく、状況や目的に応じて使い分けることが大切です。予算や時間の都合で神社に依頼できない場合は自分で清めを行い、きちんとした儀式を希望する場合はお祓いを依頼すると良いでしょう。
いずれの方法でも、新しい生活を気持ちよく始めるための大切なステップになりますよ!
まとめ
引っ越し前のお祓いは、新生活を清々しくスタートさせるための大切な儀式です。
氏神神社への依頼が基本ですが、出張祈願を受け付けている神社も多く存在します。費用は20,000円から50,000円程度が相場で、のし袋に「御初穂料」と書いて納めるのがマナーです。
お祓いの理想的なタイミングは荷物搬入前ですが、入居後でも問題ありません。日取りは大安や天赦日などの吉日を選ぶと縁起が良いでしょう。
神社に依頼できない場合は、盛り塩やお酒を使った自分でのお清めも有効です。ただし賃貸では火気や塩まきに注意が必要になります。
新しい住まいでの生活を安心して始められるよう、自分に合った方法でお祓いやお清めを行ってみてください。心を込めて新居を清めることで、きっと素敵な新生活が待っていますよ!



