「甲子の日に大黒天参りをすると金運が上がるって聞いたけど、本当かな?」
そんな疑問を持ちながら、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
甲子の日は60日に一度巡ってくる特別な吉日で、大黒天の縁日としても知られています。この日に大黒天をお参りすることで、金運や商売繁盛のご利益を受けられると古くから信じられてきました。
この記事では、甲子の日と大黒天の深い関係から、正しい参拝の作法、甲子祭の体験方法、そして金運を高めるための実践的なアドバイスまで、網羅的にお伝えしていきます。初めての方でも安心して参拝できるよう、丁寧に解説していきましょう!
甲子の日とは?──大黒天参拝にふさわしい”始まりの日”の意味と由来

まずは甲子の日について詳しく見ていきます。
この特別な日の意味を理解することで、参拝の際の心構えも変わってくるはずです。
十干十二支の最初「甲子(きのえね)」とは何か
甲子とは、十干十二支の組み合わせの最初にあたる日のこと。
十干は「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類、そして十二支は「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類から成り立っています。これらを組み合わせると全部で60通りの組み合わせができ、これを六十干支と呼びます。
その一番最初が「甲子(きのえね)」というわけです。つまり、60日に一度しか訪れない貴重な日。
一番最初の日であることから「物事の始まりに最適な日」とされてきました。新しいことをスタートさせたい時、長く続けたいことを始める時に、甲子の日を選ぶと良い流れに乗れると考えられています。
ちなみに、高校野球で有名な「甲子園球場」も、甲子の年(1924年)に建設されたことから、末永く続くようにという願いを込めてこの名前が付けられたんですよ。
なぜ大黒天と縁が深いのか(ねずみとの関係・神話的由来)
甲子の日と大黒天の縁は、十二支の「子(ね)」にあります。
「子」はねずみを表していて、そしてねずみは大黒天の神使(神様のお使い)とされているからです。
なぜねずみが大黒天の神使なのでしょうか。その理由は古事記に記された物語にあります。大黒天は日本の神道における大国主命と同一視されるようになったのですが、その大国主命が危機に陥った時、ねずみが命を救ったという逸話があるんです。
このような背景から、大黒天とねずみには深い結びつきが生まれました。したがって、十二支の「子」を含む甲子の日は、大黒天の縁日として特別視されるようになったというわけ。
また、大黒天のルーツはインドのマハーカーラという神様で、「マハー」は大、「カーラ」は黒を意味します。これが日本に伝わる際に「大黒天」と訳され、さらに「大国」が「だいこく」と読めることから、大国主命と習合していったという歴史もあります。
甲子の日に参拝する意味(開運・金運・商売繁盛)
それでは、甲子の日に参拝することにはどんな意味があるのでしょうか。
まず第一に、この日は「始まりのエネルギー」に満ちた日です。新しいことをスタートさせるのに最適な日とされているため、開運や運気上昇を願うのにぴったり。
そして大黒天は五穀豊穣、商売繁盛、金運アップのご利益があることで知られています。打ち出の小槌と大きな福袋を持ち、米俵の上に立つ姿は、まさに豊かさと繁栄の象徴ですよね。
ここで大切なのは、甲子の日には「お願い事」よりも「感謝と始まりの祈り」を捧げることが良いとされている点です。なぜなら、この日は新しいスタートを切る日だから。「今までの恵みに感謝し、これからも豊かに過ごせますように」という気持ちで参拝すると、大黒天のご加護をより受けやすくなると言われています。
また、豊臣秀吉が三面大黒天を守り本尊として信仰し、天下統一を成し遂げたという逸話もあります。秀吉の立身出世ぶりを見た人々が、大黒天には出世開運のご利益があると熱心に参拝するようになったとも伝えられているんです。
大黒天参りの基本作法──初心者でも安心、寺社での正しい手順

次に、実際に大黒天を参拝する際の作法について見ていきましょう。
初めての方でも迷わないよう、手順を詳しく説明していきます。
まず確認!神社とお寺どちらに行けばいい?
大黒天は神社とお寺の両方に祀られていますが、多くの場合はお寺に祀られています。
これは大黒天がもともと仏教の神様(天部の一尊)として日本に伝わってきたからです。インドのヒンドゥー教の神様マハーカーラが、仏教を通じて中国を経由して日本に伝来し、真言宗や天台宗を中心に信仰されてきました。
一方、神社で祀られている場合は、大黒天が大国主命と習合した「大国天」として祀られていることが多いです。例えば神田明神のように、大国主命を祀る神社では大黒天も合わせて信仰されています。
参拝する前に、お目当ての寺社が神社なのかお寺なのかを確認しておくと、作法もスムーズに行えますよ。
参拝の流れ(一般的な寺院の場合)
それでは、お寺で大黒天を参拝する際の一般的な流れを見ていきます。
まず、境内に入る前に山門で一礼します。そして手水舎で手と口を清めてください。左手、右手、口の順に清め、最後に柄杓の柄を洗い流すのが基本の流れです。
本堂に進んだら、お賽銭を静かに入れます。鈴がある場合は鳴らしてから、合掌してお参りしましょう。
線香やお供え物がある場合は、この時にお供えします。お供え物については後ほど詳しくお伝えしますね。
そして、大黒天のご真言「オン マカ キャラヤ ソワカ」を心を込めて唱えます。ご真言は仏様の力を授かるための特別な言葉。声に出して唱えても、心の中で唱えても大丈夫です。一般的には7回唱えると良いとされていますが、お寺によって指定がある場合はそれに従ってください。
最後に、願いを込めて合掌し、静かに一礼して退きます。帰る際も山門で一礼することを忘れずに。
神社で参拝する場合の作法の違い
神社で大黒天(大国天)を参拝する場合は、作法が少し異なります。
鳥居をくぐる前に一礼し、手水舎で身を清めるところまではお寺と同じです。しかし、拝殿での参拝方法が変わってきます。
神社では「二拝二拍手一拝」が基本。まず鈴を鳴らしてから、お賽銭を入れます。そして、2回深くお辞儀をし、2回拍手を打ち、最後にもう一度深くお辞儀をするという流れです。
お賽銭の金額に決まりはありませんが、5円玉(ご縁)や10円玉を使う方も多いです。ただし、縁起を担ぐなら「始まり」を意味する1円玉も良いですし、「五重の縁」として25円(5円玉5枚)を入れる方もいらっしゃいます。
神社でも真言を唱えることは可能ですが、一般的には心の中で願いを伝えるスタイルが主流。大切なのは、神様への敬意を持って丁寧に参拝することです。
お供え物の例と意味
大黒天へのお供え物には、五穀豊穣や金運と結びつくものが選ばれることが多いです。
代表的なのは、米・豆・餅・お酒など。米は豊穣の象徴であり、大黒天が米俵に乗っている姿からも縁起が良いとされています。特に黒豆や大豆は、甲子の日の子の刻(午前0時)にお供えすると豊作や子孫繁栄に恵まれると言われているんです。
また、二股大根をお供えする地域もあります。これは「二股に分かれる=縁が増える」という意味合いがあるとか。
お酒については、清酒や日本酒が一般的。神様仏様へのお供えとして、清らかなものを捧げるという意味があります。
お供え物を持参する際は、お寺や神社の方針を事前に確認しておくと安心ですよ。持ち帰りが必要な場合もあるため、袋を用意しておくと良いでしょう。
服装・マナー・写真撮影の注意点
参拝時の服装やマナーについても押さえておきましょう。
服装は、清潔感のある格好が基本です。派手すぎたり露出の多い服装は避け、落ち着いた色合いの服を選ぶと良いですね。特に正式な祈祷を受ける場合は、ジャケットやワンピースなど、少しフォーマルな装いがおすすめ。
境内では静かに過ごすことを心がけてください。大声で話したり、走り回ったりするのはマナー違反です。また、スマートフォンはマナーモードにし、通話は控えましょう。
写真撮影については、境内の撮影可否が寺社によって異なります。「撮影禁止」の表示がある場所では絶対に撮影しないようにしましょう。また、本堂内や本尊の撮影は基本的に禁止されていることが多いです。
撮影可能な場所でも、他の参拝者の迷惑にならないよう配慮してください。静かな空間を大切にし、フラッシュの使用は控えることをおすすめします。SNSに投稿する際も、場所や寺社の名前を正確に記載し、敬意を持って発信することが大切です。
甲子祭って何をする?──護摩・限定御朱印・銭洗い体験までの流れ

続いて、甲子の日に開催される「甲子祭」について見ていきましょう。
この特別な祭事では、普段体験できない貴重な行事に参加できるんです。
甲子祭とは?いつ行われる行事なのか
甲子祭は、60日に一度巡ってくる甲子の日に、大黒天を祀る寺社で行われる縁日のこと。
大黒天の縁日として、この日は特別な祈祷や催しが行われます。全国各地の大黒天を祀る寺社では、普段とは違う特別な雰囲気に包まれ、多くの参拝者で賑わいます。
年に6回程度巡ってくる甲子の日ですが、その中でも他の吉日と重なる日は特に注目されます。例えば、天赦日や一粒万倍日と重なる甲子の日は「最強開運日」として、多くの人が参拝に訪れることも。
各寺社によって甲子祭の内容は異なりますが、護摩祈祷、限定御朱印の授与、銭洗い体験などが代表的な行事です。事前に参加したい寺社の公式サイトをチェックして、開催時間や内容を確認しておくことをおすすめします。
護摩祈祷・加持の流れ
護摩祈祷は、甲子祭の中でも特に重要な儀式です。
護摩とは、仏教の密教における修法の一つ。護摩壇の中央にある炉に護摩木を焚き、本尊の智慧の火で煩悩を焼き尽くし、願いの成就を祈るという厳粛な儀式です。
参加の流れを見ていきましょう。まず、受付で氏名や願い事を記入します。この時に護摩木に願いを書くこともあります。受付が済んだら、指定された時間に本堂へ。
護摩が始まると、お祓いの洒水加持が行われることもあります。そして導師が護摩壇に向かい、真言を唱えながら護摩木を炉に投じていく様子は、まさに荘厳そのもの。炎が立ち上り、お香の香りが境内に漂う中、願い文が読み上げられます。
祈祷が終わると、授与品として護摩札をいただけます。この護摩札は本尊の分身として、家の清浄な場所にお祀りすると良いとされているんです。
護摩祈祷は予約が必要な場合も多いので、事前に確認しておきましょう。
銭洗い・福種銭のやり方
銭洗いは、金運アップを願う人気の体験です。
大黒天を祀る一部の寺社では、霊水や清水でお金を洗い清めることができます。洗ったお金は「福銭」と呼ばれ、財運が上昇すると信じられているんです。
準備するものは、小銭(硬貨)、小袋(ザルや専用の籠が用意されている場合もあります)、ハンカチです。お札も洗えますが、端の部分だけを水に浸すのが一般的。全体を濡らすとお札が苦しむと言われているので注意してください。
洗い方の順序はこうです。まず、本殿に参拝してからお金を洗います。順番が逆にならないよう気をつけましょう。境内の銭洗い場に行き、用意された霊水で丁寧にお金を洗います。
洗った後は、ハンカチで水気を拭き取ります。そして、この福銭はできるだけ早く「良いこと」に使うのが良いとされています。自分のためだけでなく、人のために使ったり、寄付をしたりすることで、さらに福が巡ってくると考えられているんですよ。
または、福銭を財布に入れてお守りとして持ち歩くという方法もあります。寺社によって推奨される扱い方が異なるので、その場の指示に従ってくださいね。
限定御朱印・授与品・開帳の魅力
甲子の日には、普段とは異なる限定御朱印が授与されることが多いです。
例えば、金色の印や大黒天の特別な印が押された御朱印、干支のデザインが施された御朱印など、その日だけの特別なデザインが用意されています。御朱印集めをされている方にとっては、見逃せない機会ですよね。
授与品としては、大黒天のお守りや福銭、開運小判などが頒布されることもあります。これらは甲子の日限定のデザインになっていることが多く、金運や商売繁盛を願う方に人気です。
また、普段は秘仏として公開されていない大黒天像が特別開帳される寺社もあります。数十年に一度しか拝観できない貴重な仏像を、甲子の日に限って拝観できるケースもあるんです。このような特別開帳の情報は、寺社の公式サイトや掲示板でチェックできます。
ただし、限定御朱印や授与品は数に限りがあることも多いので、早めの参拝がおすすめ。混雑を避けつつ、確実に授与していただくためには、午前中の参拝が理想的です。
混雑する時間帯と整理券の傾向
甲子の日は多くの参拝者が訪れるため、混雑対策も重要です。
最も混雑するのは、午前10時から午後2時頃まで。特にお昼前後は、参拝者のピークとなります。ゆっくりと参拝したい方は、早朝の開門直後か、午後3時以降がおすすめです。
限定御朱印や護摩祈祷については、整理券が配布されることもあります。人気の寺社では、開門前から行列ができることも珍しくありません。確実に参加したい場合は、前日に公式サイトで整理券の有無や配布方法を確認しておきましょう。
最近では、オンラインでの事前予約を受け付けている寺社も増えています。護摩祈祷の予約や、郵送での御朱印授与サービスなど、遠方の方でも参加しやすい仕組みが整ってきているんです。
また、天候も混雑に影響します。雨の日は比較的空いていることが多いので、雨天時を狙って参拝するのも一つの方法。ただし、傘のマナーには十分注意してください。境内では傘を横に持たず、他の参拝者にぶつからないよう配慮することが大切です。
ビジネス・金運に活かす!──甲子の日を活用した財布新調・事業開始・契約の日取り術

ここからは、甲子の日を実生活にどう活かすかを見ていきます。
特にビジネスや金運に関心のある方は、必見の内容ですよ。
「始まりの日」にふさわしい行動とは?
甲子の日は「物事の始まりに最適な日」とされています。
したがって、新しい財布を使い始めるのにぴったりの日なんです。財布は金運を左右する大切なアイテム。甲子の日に新調した財布は、長く豊かさをもたらしてくれると信じられています。
また、銀行口座や証券口座を新しく開設するのも良いタイミング。通帳の使い始めとして、甲子の日を選ぶ方も多いです。
ビジネス面では、事業の開始、新規プロジェクトのスタート、契約の締結などに最適。開業届を提出する日や、会社設立の日として甲子の日を選ぶ経営者もいらっしゃいます。
その他にも、習い事を始める、引っ越しをする、投資を始めるなど、「長く続けたいこと」「成功させたいこと」を始めるのに向いている日。甲子の日から始めたことは長続きし、良い流れに乗れるという言い伝えがあります。
ただし、大切なのは日取りだけでなく、「始める」という意志と行動です。甲子の日をきっかけに、前向きな一歩を踏み出してみてください!
一粒万倍日・天恩日との重なりを狙う
甲子の日の開運効果をさらに高めるなら、他の吉日との重なりを狙うのがおすすめ。
一粒万倍日は「一粒の籾が万倍にも実る」という意味を持つ吉日。お金を出すことで何倍にもなって返ってくるとされ、財布の新調や事業の開始に最適な日です。甲子の日と一粒万倍日が重なる日は、金運アップの最強の日と言えます。
天恩日は「天の恩恵を受けられる日」とされる吉日。5日間連続で続くのが特徴で、この期間に始めたことは天の加護を受けやすいと考えられています。
2025年から2026年にかけて、甲子の日と他の吉日が重なる日をいくつかご紹介しましょう。例えば、2025年12月21日は甲子の日、天赦日、一粒万倍日が重なる「最強開運日」として注目されています。
このような特別な日は、年に数回しかありません。カレンダーにチェックを入れて、重要な決断や新しいスタートを切る日として活用してみてはいかがでしょうか。ただし、吉日だからといって無理をする必要はありません。自分のペースで、準備が整ったタイミングを大切にしてくださいね。
避けたほうがいい行動
一方で、甲子の日に避けたほうが良い行動もあります。
この日は「始まりの日」であり、物事が長く続くとされる日。したがって、「長引いてほしくないこと」は避けるべきです。
具体的には、お金の貸し借りは控えたほうが良いでしょう。貸したお金がなかなか返ってこない、借りたお金の返済が長引くといったトラブルにつながる可能性があります。
また、入院や通院の開始も避けられる傾向にあります。病気や治療が長引くことを懸念して、可能であれば日をずらす方も多いです。ただし、緊急の場合は日取りよりも健康を優先してください。
破る、捨てる、終わらせるといった「終わり」を意味する行動も、甲子の日には不向き。例えば、断捨離や人間関係の整理などは、別の日に行うほうが良いとされています。
とはいえ、これらはあくまで縁起を担ぐための考え方。日常生活で必要なことは、無理に避ける必要はありません。大切なのは、前向きな気持ちで新しいことにチャレンジする姿勢です!
参拝後のアクションプラン
参拝した後の行動も、金運を高めるためには重要です。
まず、いただいた福銭や授与品は、財布の中に大切に入れておきましょう。福銭はお守りとして持ち歩くことで、常に大黒天のご加護を受けられると考えられています。
新しい財布を使い始める場合は、古い財布から丁寧に中身を移し替えます。レシートや不要なカード類は整理して、スッキリとした状態でスタートを切ることが大切です。お金が居心地良く過ごせる財布を作ることで、金運も上がると言われていますよ。
また、参拝後は「願掛けの継続」も忘れずに。一度参拝しただけで満足するのではなく、日々の感謝の気持ちを持ち続けることが重要です。毎月の子の日や、次の甲子の日にも参拝を続けることで、大黒天とのご縁が深まります。
さらに、参拝で得た気づきや決意を、実際の行動に移していきましょう。金運を高めるためには、ただ祈るだけでなく、自分自身の努力も必要です。節約や貯蓄に励む、新しいビジネスに挑戦するなど、前向きなアクションを起こすことで、大黒天もきっと応援してくれるはず。
護摩札をいただいた場合は、家の清浄な場所にお祀りしてください。目線より高い位置に、南向きまたは東向きに置くのが一般的。毎日手を合わせて感謝の気持ちを伝えることで、家族全員の開運につながります。
参拝当日の実践チェックリスト──持ち物・服装・時間帯・混雑回避のポイント

いよいよ参拝当日。忘れ物がないよう、しっかりチェックしていきましょう。
準備万端で臨めば、より充実した参拝になるはずです。
持ち物リスト(忘れ物防止)
参拝に必要な持ち物をリストアップしていきます。
まず必須なのが、小銭です。お賽銭用に5円玉や10円玉を複数枚用意しておきましょう。御朱印や授与品の初穂料も現金で支払うことが多いため、千円札や500円玉も準備しておくと安心。
銭洗いを予定している方は、洗いたいお金を別の小袋に入れて持参してください。硬貨だけでなく、お札を洗う場合も想定して、ハンカチやタオルも忘れずに。
お供え物を持参する場合は、米や豆などを小さな袋に入れて持っていきます。二股大根をお供えする習慣がある地域では、それも用意しましょう。
御朱印をいただく予定なら、御朱印帳も必携。新しく始める方は、その場で御朱印帳を購入することもできます。数珠を持参すると、より丁寧に参拝できますね。
その他、カメラやスマートフォン(撮影可能な場所でのみ使用)、雨具、季節に応じた防寒具や日焼け止めなども必要に応じて準備してください。リュックサックよりも、手提げバッグやショルダーバッグのほうが、参拝時に邪魔になりにくいのでおすすめです。
理想の参拝時間帯と動線
参拝に最適な時間帯について考えていきましょう。
スピリチュアル的な観点では、午前中の参拝が推奨されています。特に早朝は境内の空気が清々しく、静かに参拝できるためおすすめ。朝の光の中での参拝は、心が洗われるような感覚を味わえます。
具体的には、開門時間から午前10時頃までが理想的。この時間帯なら混雑も少なく、ゆっくりとお参りできるでしょう。護摩祈祷や特別な行事がある場合は、その開始時間に合わせて早めに到着するようにしてください。
動線については、駐車場や最寄り駅からのアクセスを事前に確認しておきましょう。公共交通機関を利用する場合は、最寄り駅から徒歩何分かかるのか、バスは利用できるのかをチェック。車で行く場合は、駐車場の有無や台数、料金を調べておくと安心です。
境内に入ったら、まず手水舎で身を清め、本殿に参拝します。その後、授与所で御朱印や授与品をいただき、境内の他の見どころを回るという流れがスムーズ。所要時間は通常の参拝で30分から1時間程度を見ておくと良いでしょう。
混雑を避けるコツ
混雑を避けて快適に参拝するためのコツをお伝えします。
まず、平日の参拝を検討してみてください。土日祝日は多くの人が訪れるため、どうしても混雑します。平日、特に火曜日や木曜日は比較的空いている傾向にあります。
雨の日を狙うのも効果的。天気が悪い日は参拝者が減るため、ゆっくりとお参りできます。ただし、足元が滑りやすくなるため、歩きやすい靴を選び、傘の扱いにも注意してください。
開門時間直後を狙うのもおすすめです。多くの寺社は朝6時から7時頃に開門します。この時間に到着すれば、人が少ない中で静かに参拝できるでしょう。朝早く起きるのは大変かもしれませんが、清々しい気持ちで一日をスタートできますよ。
また、甲子の日でも月末や月初を避ける、給料日直後を避けるなど、一般的に人が集まりやすいタイミングを外すのも一つの方法。カレンダーを見ながら、比較的空いていそうな甲子の日を選ぶのも賢い選択です。
雨の日・悪天候時の注意点
雨の日の参拝では、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、傘のマナー。境内では傘を横に持たず、縦にして他の参拝者にぶつからないようにしてください。手水舎や本殿前では、傘を閉じてから参拝するのがマナーです。折りたたみ傘を持参すると、コンパクトに収納できて便利ですよ。
足元も重要です。雨の日は境内の石畳が滑りやすくなるため、滑りにくい靴を選びましょう。ヒールの高い靴や革靴は避け、スニーカーやウォーキングシューズがおすすめ。
授与所の営業状況にも注意が必要です。悪天候の場合、御朱印の授与時間が短縮されることや、一部の行事が中止になることもあります。心配な場合は、事前に寺社に電話で確認しておくと安心です。
御朱印帳が濡れないよう、ビニール袋やクリアファイルに入れて持ち運ぶのも忘れずに。書置きの御朱印をいただく場合も、濡れないよう注意してください。
台風や大雨の日は、無理に参拝せず、安全を最優先にしましょう。甲子の日は60日後にまた訪れます。次の機会を待つのも一つの選択です。
関東・関西・地方別おすすめ寺院比較──アクセス・体験メニュー・初穂料の違い

全国には大黒天を祀る寺院が数多く存在します。
ここでは、地域別におすすめの寺院をご紹介していきましょう。
関東エリアおすすめ寺院
関東エリアで大黒天参拝におすすめの寺社をご紹介します。
まず外せないのが、東京都千代田区の神田明神。正式名称は神田神社で、江戸総鎮守として知られています。大己貴命(大黒様)を祀り、商売繁盛や縁結びのご利益で有名。アクセスも良好で、JR御茶ノ水駅から徒歩5分程度です。
東京都目黒区の大圓寺も人気スポット。こちらは目黒不動尊として知られ、大黒天も祀られています。JR目黒駅から徒歩15分ほど。静かな環境で落ち着いて参拝できます。
神奈川県鎌倉市には、鎌倉七福神巡りの一つとして大黒天を祀る寺院があります。歴史ある鎌倉の街を散策しながら、複数の寺社を巡るのも楽しいですね。
千葉県市川市の本光寺では、「金大黒天」が祀られています。子の日や甲子の日に参拝すると良いとされ、地元の方に親しまれている寺院です。
関東エリアは公共交通機関が発達しているため、電車でアクセスしやすい寺社が多いのが特徴。複数の寺社を一日で巡ることも可能ですよ。
関西エリアおすすめ寺院
関西エリアにも、魅力的な大黒天の寺院が多数あります。
大阪府羽曳野市の大黒寺は、日本で最初に大黒天が現れた霊場として知られています。役行者が開いたとされる歴史ある寺院で、境内には大きな七福神の石像が並んでいます。近鉄南大阪線の古市駅からバスでアクセス可能。
京都市東山区の圓徳院には、豊臣秀吉の守り本尊である三面大黒天が祀られています。秀吉の出世にあやかりたい方に人気のスポット。京阪電鉄の祇園四条駅から徒歩圏内で、観光と合わせて訪れやすい立地です。
京都には他にも、妙円寺など大黒天を祀る寺院が点在しています。京都の寺社巡りのルートに組み込んでみるのもおすすめ。
関西エリアの特徴は、歴史的な背景を持つ寺院が多いこと。由緒ある建物や庭園を楽しみながら、大黒天への信仰の歴史を感じられます。御朱印も美しいデザインのものが多く、コレクターの方にも人気のエリアです。
中部・中国・九州エリアおすすめ寺院
地方にも素晴らしい大黒天の寺院があります。
岡山県岡山市の最上稲荷は、三面大黒天を祀る有名な寺院。甲子の日には甲子祭が盛大に行われ、金運成就の特別祈祷を受けることができます。JR岡山駅からバスで約30分。広大な境内には三面大黒天堂があり、銭洗いの体験も可能です。
山形県には甲子大黒天本山があり、大黒天信仰の中心地として知られています。東北地方からの参拝者も多く、静かで荘厳な雰囲気が魅力です。
福岡県福岡市の圓應寺では、最澄作とされる大黒尊天が祀られています。甲子の日には大黒天大祭が行われ、特別御朱印も授与されます。地下鉄空港線の赤坂駅から徒歩圏内でアクセスも便利。
地方の寺院は、都市部に比べて混雑が少なく、ゆったりとした時間の中で参拝できるのが魅力。また、地域独特の風習や行事に触れられるのも楽しみの一つです。旅行のついでに立ち寄ってみるのもおすすめですよ。
寺院別比較表(体験・初穂料・御朱印有無)
各寺院の特徴を比較してみましょう。
神田明神では、通常の御朱印が500円、限定御朱印は種類によって異なります。護摩祈祷は受け付けていないものの、昇殿参拝が可能。甲子の日には特別な雰囲気があり、だいこく祭では限定御朱印が授与されることも。
最上稲荷の護摩祈祷は事前予約が推奨され、初穂料は祈願内容によって異なります。三面大黒天堂での銭洗い体験が人気で、霊水で清めた福銭をいただけます。御朱印は複数種類があり、甲子の日限定のものも。
大黒寺では、甲子の日に縁日が開かれ、通常の御朱印に加えて特別な印が押されることがあります。初穂料は一般的に300円から500円程度。
圓徳院の三面大黒天祈願は、毎月3日の縁日に行われます。祈祷料は内容によって異なり、事前の確認が必要。瓢箪型の願掛け札を使った独特の祈願方法が特徴的です。
各寺院の体験内容や初穂料は変更される場合があるため、参拝前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
初めての人におすすめの参拝モデルコース
初めて大黒天参拝をする方に、おすすめのモデルコースをご提案します。
例えば、東京での半日コースはこちら。午前9時に神田明神に到着し、まず本殿で参拝。大黒様尊像の前で写真を撮り、授与所で御朱印をいただきます。所要時間は約1時間。
その後、秋葉原エリアを散策し、お昼は周辺の飲食店で。午後は浅草方面へ移動して浅草寺を参拝し、仲見世通りでお土産探し。こうした観光と合わせたプランなら、一日楽しめますよ。
大阪・京都エリアなら、午前中に大黒寺を参拝し、午後は京都へ移動して圓徳院へ。歴史的な街並みを楽しみながら、複数の寺社を巡るコースがおすすめ。京都では他の観光スポットも多いため、宿泊して翌日も観光するのも良いですね。
岡山の最上稲荷を訪れる場合は、半日程度を確保しましょう。広い境内をゆっくり巡り、護摩祈祷や銭洗い体験をじっくり楽しんでください。周辺には岡山城や後楽園もあるため、観光と合わせた一日プランを立てるのがおすすめです。
どの地域でも、事前にアクセス方法や所要時間を調べておくことが重要。余裕を持ったスケジュールを組むことで、慌てずに参拝を楽しめます!
まとめ

甲子の日の大黒天参りについて、詳しくお伝えしてきました。
60日に一度巡ってくる甲子の日は、十干十二支の最初にあたる縁起の良い日。大黒天の縁日でもあり、金運や商売繁盛を願う方にとって特別な意味を持つ日です。
参拝の際は、お寺と神社で作法が異なることを理解し、それぞれのマナーを守って丁寧にお参りしましょう。護摩祈祷や銭洗いなど、甲子祭ならではの体験も、ぜひ楽しんでみてください。
また、財布の新調や事業の開始など、新しいスタートを切りたい時に甲子の日を活用するのもおすすめ。一粒万倍日や天恩日と重なる日は、さらに強力な開運日となります。
大切なのは、日取りだけでなく、大黒天への感謝の気持ちと、自分自身の前向きな行動。参拝で得たご縁を大切にしながら、日々努力を続けることで、きっと豊かな未来が開けていくはずです。
次の甲子の日には、ぜひお近くの寺社を訪れて、大黒天のご加護を受けてみてください!





