
「神社参拝の手順をきちんと知りたい!でも、作法やマナーが分からないから不安…願い事はどうやって伝えればいいのかしら?」
神社参拝は日本の大切な文化ですが、普段から参拝に慣れていない方にとっては、基本的な作法やマナーに不安を感じることもあるのではないでしょうか。実際、私も初めて神社にお参りに行ったときは、どのタイミングでお辞儀をすればよいのか、手水はどうやって使うのかなど、たくさんの疑問を抱えていました。
お参りの前に知っておきたいことは、例えば
- 神社参拝の基本的な手順は?
- 参拝時のマナーで気をつけることは?
- 願い事は神様にどう伝えればいい?
など、様々な疑問があることでしょう。
そこで今回は、神社参拝の基本的な手順を中心に、初めての方でも安心してお参りできるようポイントをご紹介していきます!
また、願い事の伝え方や参拝時の細かなマナーについてもお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください!
神社参拝の基本的な手順
神社で正しくお参りするための基本的な手順をご紹介していきます。ポイントを押さえれば、誰でも安心して参拝することができます!
参道での作法
先ずは参道の歩き方からご説明していきます。参道は神様の通り道とされているため、真ん中は避けて端を歩くのがマナーです。また、参道の鳥居をくぐる際は、一度立ち止まって軽く会釈をしましょう。これは神様の世界に入る前の挨拶となります。
なお、神様の世界に足を踏み入れる際は、心を落ち着かせて歩くことが大切です。参道を歩きながらおしゃべりをすることは避け、静かな気持ちで進んでいきましょう。
参道の種類によって、歩き方にも少し気を配りたいものです。砂利道の参道では、足音を立てないように静かに歩むのがマナー。石畳の参道では、継ぎ目をまたぐように歩くと良いでしょう。
また、参道には「上段」「中段」「下段」という3つの道が設けられている場合があります。中段は神様の通る道とされているため、上段か下段を歩くようにしましょう。なお、夫婦で参拝する際は、男性が下段、女性が上段を歩くという風習も残っています。
手水舎での清め方
参道を進むと手水舎(てみずや)が見えてきます。ここでは、心身を清めるための作法を行います。順番は以下の通りです。
- 右手で柄杓を持ち、水をすくいます
- 左手を清めます
- 柄杓を左手に持ち替えて、右手を清めます
- 再び右手で柄杓を持ち、左手に水を受けて口をすすぎます(実際には口に含まず、手を使って口元を清めるだけでOK)
- 最後に柄杓を立てて、柄を伝わる水で柄杓を清めます
清めの動作は、控えめに行うことがポイントです。周りに水しぶきを飛ばさないよう、丁寧に行っていきましょう。
手水舎での作法で、よくある間違いについてもお話ししておきましょう。
・柄杓を振って水を切る →周りに水しぶきが飛び、他の方の迷惑になります。
・口に水を含んで吐き出す →直接口に含むのは避け、手を使って口元を清めましょう。
・何度も繰り返し清める →丁寧すぎる動作は、かえって不作法になることも。
手水舎が混んでいる時は、後ろの方を待たせないよう、手短に済ませることも大切なマナーです。冬場は水が冷たいので、体調のことを考えて清めの動作を省略しても問題ありません。
二拝二拍一拝の正しいやり方
本殿に着いたら、賽銭を入れて二拝二拍一拝を行います。一般的な神社での基本的な作法は以下の流れです。
- 賽銭を静かに賽銭箱に入れます
- 一回目の深いお辞儀をします(体を90度前に倒します)
- 二回目の深いお辞儀をします
- 手を2回合わせます(パンパン!と音を立てすぎないように)
- 最後にもう一度、深いお辞儀をします
なお、出雲大社や宇佐神宮など一部の神社では「二拝四拍一拝」が正式な作法となっています。事前に参拝する神社の作法を確認しておくと安心ですね。
それぞれの動作には、実は深い意味が込められています。
最初の二拝は「神様への感謝」を表しています。この時、心の中で「いつもありがとうございます」と唱えながらお辞儀をすると良いでしょう。
次の二拍手は「神様の注意を喚起する」という意味があります。まるでドアをノックするように、これから願い事をさせていただきますという合図なのです。
最後の一拝は「神様へのお礼」。願い事を聞いていただいたことへの感謝を込めて、丁寧にお辞儀をします。
なお、神様に願い事を伝える際のポイントは「明確に、簡潔に、誠実に」。欲張らず、一番叶えていただきたい願いに絞って伝えましょう。
参拝後の作法
お参り後は、最後にもう一度軽く一礼をして、後ろ向きに数歩下がってから正面を向き直ります。これは、急に背中を向けることを避け、神様への敬意を示す動作です。
また、帰り際の鳥居をくぐる時も、来た時と同様に一度立ち止まって軽く会釈をしましょう。これで基本的な参拝の手順は完了です。
季節や天候によって、参拝後の作法にも気を配りたいポイントがあります。
雨の日は、傘の水滴が境内に落ちないよう、本殿を後にする際も気を付けましょう。できれば、境内の軒下で傘の水を軽く切ってから参道を歩くのがマナーです。
また、暑い時期は汗を十分にふき取ってから参拝を。汗が境内を濡らすことのないよう、ハンカチやタオルを持参すると安心です。
初心者が知っておきたい参拝時のマナー
神社は神様をお祀りする神聖な場所です。快適に参拝するために、基本的なマナーについてお話ししていきます!
服装や身だしなみのポイント
参拝時の服装は、清潔感のあるカジュアルで問題ありません。ただし、露出の多い服装は避けるようにしましょう。特に夏場は、羽織るものを持参すると安心です。
また、帽子をかぶったままの参拝は失礼にあたります。参道に入る前に必ず帽子を取るようにしましょう。日傘は差したままでも構いませんが、本殿の前では畳むのがマナーです。
なお、結婚式や正月参りなど、特別な参拝の際は、少しフォーマルな装いを心がけると良いでしょう。スーツやワンピースなど、あまりカジュアルすぎない服装がおすすめです。
季節別の適切な服装について、具体的にお話ししていきましょう。
春は、羽織物を持参すると安心です。桜の季節は気温差が大きいため、カーディガンやストールがあると便利です。また、靴は歩きやすいローヒールがおすすめ。砂利道でヒールが沈むことを避けられます。
夏は、日焼け対策と露出を抑える工夫が必要です。半袖のワンピースにストールを合わせたり、薄手のカーディガンを持参したりするのがおすすめです。汗を吸収しやすい素材を選ぶことも大切なポイントです。
秋は、一枚で着られるブラウスやニットに、羽織物を組み合わせると良いでしょう。スカートの場合は、風が強い日に備えて適度な重みのある素材を選びます。
冬は、手を合わせやすい上着を選びましょう。厚手のコートだと、お辞儀の際に動きづらいことがあります。また、スカーフや手袋は、参拝の直前に外せるようなものを選ぶと良いですね。
参拝時に避けるべき行為
神社での参拝中は、以下のような行為は控えめにしましょう。
- 大声での会話
- 走り回ること
- 飲食(お神酒や御神饌を除く)
- 喫煙 ・体調不良時の参拝
特に本殿の前では、スマートフォンの使用も控えめにすることをおすすめします。神様に集中して祈りを捧げる時間を大切にしたいものですね。
参拝時のNGとされる行為について、理由と共に詳しくご説明します。
まず、酔った状態での参拝は厳禁です。神様への敬意を欠くだけでなく、他の参拝者への迷惑にもなりかねません。お酒を飲む予定がある日は、先に参拝を済ませておくことをおすすめします。
また、参道や境内での携帯電話の使用も控えめにしましょう。特に通話は厳禁です。メールチェックなども、本殿から離れた場所で手短に済ませるようにしましょう。
さらに、参拝の順番待ちの際の私語も気を付けたいポイント。賽銭を投げ入れたり、鈴を乱暴に鳴らしたりする行為も、神様への敬意を欠く行為とされています。
病気や怪我の治癒を願う場合でも、包帯や絆創膏は見えないように工夫すると良いでしょう。見えてしまう場合は、清潔な白いガーゼなどに変えてから参拝することをおすすめします。
写真撮影のルール
最近は写真映えする神社も多く、記念撮影をしたい気持ちはよく分かります。ただし、いくつか守るべきルールがあります。
まず、本殿の中や御神体の撮影は厳禁です。また、鳥居や狛犬などの撮影は、必ず正面から行うようにしましょう。横や斜めからの撮影は、神様に失礼にあたるとされています。
境内の風景や建造物の撮影は、多くの神社で許可されています。ただし、必ず撮影禁止の表示がないかを確認してから撮るようにしましょう。また、他の参拝者の迷惑にならないよう、撮影場所や時間帯にも気を配ることが大切です。
最近は写真を楽しむ参拝者も増えていますが、いくつか気を付けたいポイントがあります。
写真を撮る際は、他の参拝者の写り込みに要注意。特に本殿近くでは、参拝に集中している方の邪魔にならないよう、細心の注意を払いましょう。
また、神社建築には、装飾や彫刻など、美しい部分がたくさんあります。これらを撮影する際は、以下のようなマナーを心がけましょう。
- フラッシュは使用しない
- 三脚やセルカ棒の使用は控える
- SNSへの投稿は神社の品格を損なわないよう配慮する
- 位置情報の付加は控えめに
願い事を叶えやすくする参拝のコツ
せっかくの参拝です。願い事が叶いやすくなるポイントについてご紹介していきます!
賽銭の適切な金額
賽銭の金額に決まりはありませんが、五円玉がおすすめです。「ご縁」に通じることから、縁結びや良いご縁を願う意味が込められています。
また、五円玉以外では、お守りやお札を授かる際の初穂料を参考にするのも良いでしょう。一般的には100円か500円が多いようです。賽銭は、感謝の気持ちを込めてお供えするもの。金額の多さではなく、気持ちが大切です。
賽銭の金額に込められた意味についても、詳しくお話ししていきましょう。
五円玉以外にも、様々な金額に意味が込められています。例えば、七円は「七福神のご利益」を願う時に、八円は「八方塞がりの難を逃れたい」時に選ぶ方もいらっしゃいます。
また、十円玉は「十分な心」という意味があり、「心を込めて」という気持ちを表現できます。百円玉は、「諭吉」つまり「福沢諭吉」に通じることから、「学問の神様」として知られる菅原道真を祀る神社での参拝に使われることもあります。
ただし、これらの金額に込められた意味は、あくまでも参考程度に考えましょう。神様は私たちの気持ちの誠実さを見ていらっしゃいます。
効果的な願い事の伝え方
願い事は欲張らず、一つに絞って伝えるのがポイントです。また、「〜したい」ではなく、「〜させていただきます」という意思表示の形で伝えると良いでしょう。
例えば、 ×「良い仕事に就きたいです」 〇「素晴らしい仕事をさせていただきます」
このように、自分の決意も込めた言葉で願い事を伝えてみましょう。具体的な目標を持って参拝すると、日々の行動も変わってきます。
目的別の願い事の伝え方について、具体例をご紹介します。
・健康祈願 「どうか健康で過ごせますように」ではなく 「健康に気を配り、前向きに生活させていただきます」
・商売繁盛 「お客様が増えますように」ではなく 「お客様に喜んでいただける商売をさせていただきます」
・家内安全 「家族が無事でありますように」ではなく 「家族を大切にし、和やかな家庭を築かせていただきます」
このように、受け身の願い事ではなく、自分から行動する意思を示すことで、神様も応援してくださりやすくなるといわれています。
参拝の最適な時間帯
神社は早朝が最も神聖な時間とされています。特に、6時から9時までの「午前の吉時(きちじ)」に参拝すると、願い事が叶いやすいと言われているのです。
ただし、仕事や家事で早朝参拝が難しい方は、参拝所の時間内であれば、いつでも大丈夫です。混雑を避けたい場合は、平日の午前中がおすすめ。ゆっくりとお参りができる時間帯を選びましょう。
神社の特別な日についても触れておきましょう。
毎月1日と15日は、多くの神社で「月次祭(つきなみさい)」が行われます。この日の参拝は、特別なご利益があるとされています。また、毎月最初の午(うま)の日を「初午(はつうま)」と呼び、商売繁盛や家内安全を願う方が多く参拝されます。
神社の例大祭や祭礼の日も、神様の力が最も強まる日とされています。ご自身の地元の神社の祭日を確認しておくと、より効果的な参拝ができるでしょう。
なお、厄年の方は、1月から3月の間に参拝することが一般的です。この時期は、その年の厄を払い、無事に過ごせるようご祈願する方が多く参拝されます。
神社参拝Q&A:よくある疑問と答え
神社参拝について、多くの方が気になる疑問にお答えしていきます!
参拝時の方角や向き
「どの方向を向いて参拝すれば良いのかしら?」という声をよく耳にします。基本的には、本殿の神様に正面から向き合うのが正しい参拝の仕方です。
賽銭箱の前に立った時、自然と向き合える位置に神様がいらっしゃいます。方角を気にしすぎて体をひねったりする必要はありませんので、リラックスして参拝してくださいね。
神様への挨拶の仕方
神社によって祀られている神様は異なります。そのため、「どのように挨拶をすれば良いのだろう」と悩む方も多いようです。
基本的には「よろしくお願いいたします」という気持ちを込めて、静かに手を合わせるだけで十分です。神様の名前を知っている場合は、「○○神様、本日はよろしくお願いいたします」と心の中で唱えても良いでしょう。
お守りや御朱印の作法
お守りは、神様からいただいたご利益が込められた大切なものです。受け取る際は、両手で丁寧にお受けしましょう。古いお守りは、お世話になった神社に返納するのが望ましいとされています。
御朱印は、参拝の記念として授かることができます。帳面を準備する際は、専用の御朱印帳を使用しましょう。スケジュール帳やノートは避けたほうが無難です。また、御朱印を授かる際は、必ず参拝を済ませてからお願いするようにしましょう。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。神社参拝の基本的な作法は、神様への感謝と敬意を形にしたものです。難しく考えすぎる必要はありません。
大切なのは、清らかな心で参拝すること。この記事で紹介した作法の基本を押さえておけば、神社での参拝も安心して楽しむことができます。
神社は日本の大切な文化であり、心のよりどころ。参拝を通じて、日々の感謝を伝えたり、新たな決意を固めたりする機会にしていただければ幸いです。皆様の願い事が叶いますように!